求人採用の基礎 採用活動の種類
公開日:2021.10.18 更新日:2023.2.23

全社員がリクルーターになる!?リファラル採用の整え方

日本では年々労働人口が減少しており、有効求人倍率も上がってきています。
売り手市場の中で採用を成功させるには、従来の方法だけではなく、新しい採用の間口を広げることが重要です。
そこで本日はリファラル採用の活用についてご紹介します。

自社・自院でリファラル採用を実施される際の参考にしてください!

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リファラル採用って?

リファラル採用とは「在籍している社員に人材を紹介してもらう採用手法」のことです。
英語で「紹介」を意味するReferralから来ています。
現在の国内企業では約6割が取り入れている採用手法です。

この採用方法は社員に「紹介したい」と思ってもらえる職場かどうかで結果が変わります。
必然的により良い組織づくりが求められるので、会社だけではなく、社員にとっても良い影響のある取り組みです。
少子高齢化などの影響で人材確保が難しくなった今、市場で採用競争をせずに人材の確保ができるようになります。

また、企業をよく理解している社員の紹介であるため、自社にマッチした人材が集まりやすく、定着率もUPすることができます。

縁故採用とはどう違うの?

日本にも昔から縁故採用という採用手法がありますが、リファラル採用と縁故採用では「採用することが決まっている選考かどうか」という点で特性が異なります。

リファラル採用の特性

血縁関係や親族だけではなく、スタッフの友人や知人も対象になります。
採用することが前提ではないので特別な選考は行わず、普段の採用手法と同じ選考フローで合否の判断を行います

縁故採用の特性

血縁関係や親族のみを採用対象にした手法です。
立場を利用した紹介が多く採用されることが前提となっており、特別な選考フローで採用を行います。

リファラル採用が注目されている理由

なぜ、リファラル採用が注目されるようになったのでしょうか? 主な理由に以下の点が挙げられます。

労働市場の変化

先ほども挙げたように、日本は年々全体の人口が減っており、今後2050年までには1億人を下回ることが予想されています。
少子高齢化と重なり、労働人口は10%以上減少する見込みです。

そのため、人材不足は慢性化の一途をたどり、受け身の採用手法ではなく、攻めの採用手法をしないと人材の確保は難しくなってきています。

また、2019年4月に労働基準法が見直され、働き方改革によって多くの企業が生産性の向上に取り組むようになりました。
さらにインターネットの普及とともに育った「ミレニアル世代」の社会進出により、企業と個人の関係性も変化していきました。終身雇用の考え方が見直され、転職や副業が当たり前の時代になったことから、人材がより移動しやすい状況になったと言えます。
生産性を上げて長く働いてもらうためには、社員一人ひとりのエンゲージメントの向上も重要になってきています。

ミレニアル世代…1981〜1996年生まれの世代。ミレニアム(新千年紀:2000年)以降に成人になった世代であることが語源となっています。

転職市場の変化

求職者の主な情報収集の手段は求人広告やハローワークなどの求人票でしたが、インターネットやSNSが普及したことにより、よりリアルな情報が求められるようになりました。
そのため、友人・知人の口コミから情報収集して、働く場所を探す求職者も増えてきています。

このような状況からリファラル採用は

  • 組織を見直し自社の採用力を高める
  • 社員のエンゲージメントを強化する
  • 転職市場の傾向に合っている

採用手法になり、様々な企業からの注目が集まっています。

社内リファラル採用のメリット

リファラル採用を行うメリットを4点ご紹介します。

決定率が高く、離職率が低い人材を採用できる

リファラル採用は企業と候補者両方をよく知っている社員の紹介から採用するため、候補者と企業のマッチ度が高くなります。
候補者側も社員から企業のことについて聞いているので、社内の雰囲気を知って応募をしていることが多いです。
そのため内定の辞退も少なく、候補者が入社した後も社内に馴染みやすく、離職率が低い傾向にあります。

採用コストが削減できる

通常の採用手法(求人広告やナビサイトなど)を使用して採用した場合の一人当たりの平均コストは、
中途採用で103,3万円、新卒採用93.6万円(2019年:就職白書2020)となります。 また、人材紹介エージェントから採用した場合は100万円以上の紹介料がかかります。

リファラル採用は社員からの紹介のため、工夫次第で採用コストをグッと抑えることが可能です。
リファラル採用のインセンティブを社員に支払う場合でも、人材紹介エージェント等と比較して大幅に採用コストを削減できます。

さらに、離職率が低い人材を採用できるので、金銭面だけではなく採用工数面でもコストを削減することができます。

転職潜在層の人材を採用できる

リファラル採用は、社員が一緒に働きたい友人や知人を紹介するため、元々転職意向がなかった人も採用対象にできます。
つまり、転職サービスや人材紹介エージェントではアプローチ出来なかった、優秀な転職潜在層にもアプローチできるのです。 また、紹介の中には大学や専門学校の同級生など、紹介者の社員と同じ専門的な知識やスキルを持った人材を集めやすいメリットもあります。

すぐに転職する希望がない候補者でも、定期的にアプローチを行い自社の魅力を伝え続けることで、将来転職したいと考えたときに自社の選考を受けてもらうことができます。

紹介者社員のキャリアの棚卸しができる

紹介者となる社員もリファラル採用に取り組むことで、「なぜ自分はこの会社で働いているのか」「将来どんな仕事をしていきたいか」「入社時はどんな思いを持っていたか」など気づきや振り返りができ、キャリアの棚卸しに繋がります。

このような振り返りは日常の業務ではなかなか取り組むことができません。
リファラル採用をきっかけとして振り返りを行うことで、より成長ができ社員の満足度(エンゲージメント)も高めることができます

このようにメリットが多いリファラル採用ですが「いい人がいたら紹介して!」と声を掛けるだけでは紹介は集まりません。
リファラル採用の制度を仕組み化し、社員のマインドセットをする必要があります。

リファラル採用が上手くいかない場合は、社員が次のように感じている可能性があります。

  • よく知っている友人・知人でなくてはならない
  • 転職する意向がある人を紹介しないといけない
  • 自信を持って良い人と言えないと紹介できない
  • 結局転職しなかったら迷惑にならないか

この社員と採用担当者の認識の違いがリファラル採用の成功の妨げになってるケースが多いです。

採用担当者として「自社に合う・合わないは選考で判断するので気にせずに紹介して欲しい」と社員に伝え続けることが大切です。

リファラル採用のデメリット

いいことづくめに感じるリファラル採用ですが、実はデメリットもあります。

採用できるまでに時間がかかる

リファラル採用は、まだ転職は考えていない転職潜在層にもアプローチができるのはメリットですが、逆に今すぐに人材を確保したい場合は向いていない採用手法になります。
転職潜在層の方にも定期的に接点を取りつつ、従来の採用手法も行うなど、社内の採用状況によって臨機応変に対応する必要があります

似たタイプの人材が集まる(人材の同質化)

リファラル採用は社員と仲の良い友人・知人が紹介されるため、似たタイプの社員が集まる傾向にあります。
そんな時は「どのような人物を採用したいか」ペルソナを設定し、社員に告知することで回避ができます。

インセンティブ目的の紹介になる可能性がある

リファラル採用の報酬(インセンティブ)を設定している場合、金額が適正か考える必要があります。
あまりに高すぎる場合、報酬を目的とした紹介が起こる可能性があり、自社にマッチしない人材の応募が増えてしまいます。
定期的に見直しを行いましょう。

不採用時のケアや入社後の人材配置に気をつける必要がある

紹介者の社員と候補者の人間関係に気をつける必要があります。
候補者が不採用だった場合、社員との間で気まずさや溝ができてしまったり、紹介者の退職に伴い紹介された側も退職を検討してしまうこともあります。
そのためリファラル採用を行う時は、不採用時のケアや採用後の人材配置に注意し、いろんな社員と関わることができる環境にしましょう。

リファラル採用がおすすめの企業・医院の特徴

リファラル採用を取り入れると効果が出やすい企業や医院の特徴をご紹介します。

中長期的に採用コストを抑えたい企業・医院

今すぐの採用ではないが、
「将来スタッフを増やしたい」
「もしもの時に人材を確保できる状態にしたい」

と考えられている企業や医院さんにはおすすめの採用手法です。

採用コストを抑えたまま、転職潜在層を含む様々な候補者にアプローチできるので、長く取り組み取り組み続けることで定期的な人材の確保が可能です。
一人あたりの採用単価を抑えたい場合はぜひリファラル採用を始めてみましょう!

社員のエンゲージメントを高めたい企業・医院

リファラル採用は社員のエンゲージメントを高め、定着率UPを狙う場合にも効果的です。
先ほどお伝えしたような社員のキャリアの棚卸しだけではなく、自社の魅力を他の人に伝えること自体がエンゲージメントを向上させる要因になります。

価値観が近い人たちが集まりやすいため、ミスマッチによる辞職も少なくなります

リファラル採用の運用方法

ここからはリファラル採用の運用方法をご紹介していきます。

リファラル採用の仕組みづくりを整える

リファラル採用を円滑に機能させるには、社員が負担に感じないように設計することが重要です。

まずはどのような人物を採用したいのかペルソナを決め、詳しい仕事内容や採用条件などを明確にした募集要項を作成しましょう。

その他にも、1日の仕事の流れや福利厚生の内容など、ターゲットに向けて十分な情報の開示を行います。
募集要項を整えたらターゲットにしている人物像を全社員に伝えます。

また、募集要項や応募の方法などリファラル採用の手順を社員がいつでも確認できる仕組みも作りましょう。

社員報酬(インセンティブ)の設定を行う

リファラル採用には、社員に対してインセンティブを提供することが効果的です。
例えば、紹介された候補者が内定を受け入れた場合に、社員に一定の金額の報酬を与える方法があります。
社員にとっては、インセンティブが収入になるため、モチベーションが高まります。

ただし、職業安定法の第40条の規定では、労働者の募集を行う社員に報酬を渡すことは原則として禁止されています。
しかし、賃金や給与として支払う場合は例外として認められているので、リファラル採用は業務の一環として報酬を支払う必要があります。
「人材を紹介すること」だけに対して報酬を支払わないように気をつけましょう。

違法にならないようにするためには、 就業規則や賃金規定に「人材を紹介することは社員の業務の一部」と明記して、人材紹介業務だけに報酬を与えているのではないことを規定する必要があります。
さらに、報酬となる金額にも気を付ける必要があります。あまりに高額だと、許可や届出を行わずに人材紹介業を行ったと判断されかねません。
目安として人材紹介サービスへの報酬よりも低く設定しましょう。

その他の採用手法と併用しながら実施する

全社員が行動を起こし、仕組みが定着するまでにはどうしても時間が必要になります。

リファラル採用は即効性のある採用方法ではなく、長期的な取り組みで行う採用活動です。状況に応じてリファラル採用以外の採用方法を併用することも重要です。

新しい採用手法を取り入れて攻めの採用を行いましょう!

リファラル採用は「中長期的に採用コストを抑えたい」「定着率の高い採用を行いたい」という時に活用する採用活動です。自社の状態を見ながら導入を行いましょう。
採用の間口を広げることで自社にマッチした人材を集めやすくなります。

株式会社ナインデザインでは、このような求人採用の対策やご提案を行なっております。
リファラル採用のような採用コストを抑えつつ、自社や自院にマッチした人材を採用する方法もこちらのセミナーでお伝えしております!この機会にぜひご参加ください!

この記事を書いた人:鎌田

  • マーケティング事業部/制作チーム
  • Webサイトのコーディングを担当しています。 ハーレーダビッドソンとカワサキのバイクに憧れています。

 

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