
株式会社ナインデザイン、制作部の巻です。
突然ですが、これをお読みの皆さまは選考の途中で辞退されてしまった経験はありますか? せっかくいい人材に出会えたと思ったのに、他社に行かれてしまうと残念ですよね。
この選考辞退に関連して、複数の転職・就職メディアを運営する「株式会社学情」が2021年8月に行なった「『内々定辞退・選考辞退』に関する企業調査」では、選考辞退者が「昨年より増えた」と回答した企業が35.1%という結果になりました。

出典:『内々定辞退・選考辞退』に関する企業調査(2021年8月) – 株式会社学情
面接前日・当日にドタキャンの約9割が「連絡なしですっぽかし」
エン・ジャパン株式会社が行なった調査「1800社に聞く!『選考辞退』実態調査」ではドタキャンに悩む企業が多いことが明らかになりました。
辞退が起きたタイミングについて、「面接前日・当日のドタキャン辞退」と回答した企業に、「ドタキャンした応募者から辞退連絡がありましたか?」と伺ったところ、88%が「連絡はなかった」と回答。応募者の“すっぽかし”に悩む企業が多いようです。
出典:1800社に聞く!『選考辞退』実態調査 – エン・ジャパン株式会社
辞退の連絡すらできない人材はそもそも不要、という考え方もありますが、これまでの選考にかかった手間を考えるとできるだけ避けたい状況ですよね。
求職者の選考辞退を防ぐ対策5選
では、ここからはそんな選考辞退を防ぐための対策をご紹介します。
その① 連絡スピードを速くする
最も基本的な対策で、意識して行なっている企業も多いかと思います。
求職者は複数企業に同時に応募していることがほとんどです。 履歴書を見て検討したり、選考の日程を調整しているうちに、他社の選考はどんどん進んでしまいます。
「早く働きたい」と焦っている方であれば、御社が第一志望であってもより早く内定を出した企業に入社してしまうかもしれません。
また、レスポンスの遅さは求職者の不信感を煽る原因にもなります。
他社に先を越されてしまわないよう面接などの日程は早めに取り付け、誠実な対応を心がけましょう。
その② 選考ステップの見直しをする
採用に慎重になるあまり、何ステップもの面接を設定しているケースもあります。
こちらも同様に、求職者の見極めを行なっている間に他社へ入社してしまう可能性があります。
さらに、面接官と求職者との予定が合わずに日程が延び、同じような状態がステップ分繰り返されることで内定までにかなりの時間を要してしまうこともあります。
在職中の求職者であれば、ステップを短縮して複数の面接官が同時に面会できるようにするなど、臨機応変な対応でスピードアップを図りましょう。
目的に応じて、適性検査などのスクリーニング検査を導入するのも有効です。
その③ 情報は事前にできる限り開示しておく
実は、辞退が一番多いタイミングが「面接前」。
エン・ジャパン株式会社が行なった調査「辞退の心理 [2020年版]」では、面接前に辞退した理由として「応募後に再考し、希望と異なると判断した」という回答が一番多いという結果になりました。

応募の時点では希望に合っていると思っていても、応募時の相談や応募後に調べたところ想像と異なっていた、というパターンがあるようです。
仕事の内容に関しては、同じ職種でも企業によって業務範囲は異なるため、書ける範囲で最大限開示しておくことをおすすめします。
辞退となると求職者・企業の双方にさまざまな負担がかかります。不要な労力を使わないためにも、求職者目線に立った求人作成を意識しましょう。
その④ 選考方法を対面・オンラインで選択できるようにする
③の調査の中で、「オンラインではなく対面の面接だったため」が5%、反対に「オンラインでの面接だった」が3%と正反対の回答が見られました。
コロナ対策の意識が低い職場には入社したくない、またはオンラインが苦手なので対応できないという求職者の思いが垣間見えます。
どちらの要望にもすぐに応えられるよう、対面とオンライン両方の環境を整えておくといざというときも安心です。
2020年よりリモートワークが普及し、自宅にいながら全国どこででも働ける環境が整ってきました。Uターンなどで地元に戻りたいという希望も増えていると言われています。
そのような方のためにも、履歴書・職務経歴書などの書類選考も郵送 or メールで送信のどちらかを選べるようになると求職者の方から見ても嬉しいですね。
※アピールポイントになりますので、忘れずに求人に記載しておきましょう!
その⑤ 「採用したい」という熱意を伝える
弊社が毎月開催しているオンラインセミナーでもお伝えしていますが、採用活動は恋愛と一緒です。
採用が買い手市場だった昔と違い、今は企業が求職者に選ばれる時代。 応募してきた人材を雇って「あげる」という考えは捨て、「ぜひ一緒に働きたい」という熱意を伝えましょう。
ただ選考だけを行う企業よりも、きちんとコミュニケーションを取って「働きたい」と言ってくれる企業の方が好感を持たれやすい傾向があります。
もちろん、求職者が入社したいと思えるような環境づくりを先に行う必要があります。ですが、志望動機を聞く会社はあっても、ストレートに「あなたと働きたい」と伝える会社は意外と少ないかもしれません。
まとめ
内定辞退を防ぐための5つの方法を紹介しました。
他社の調査結果からもわかりますが、辞退の原因は情報不足・対応の不誠実さ・選考への参加しづらさといった、そのほとんどが企業側の問題だと言えます。
しかし見方を変えると、適切な対策を行うことで大半は回避することが可能と言えるのではないでしょうか。
新卒・中途にかかわらず、求職者の目線に立った対応が大切です。求職者だった時のことを思い出して、社員の皆様と対応を検討してみてはいかがでしょうか。