
- いろいろな求人媒体で募集をかけているけれど、なかなか応募がこない…
- とりあえず求人票を埋めて募集している
- どうすれば求職者に「応募したい」と思ってもらえるの?
求人採用で悩んでいる社長や担当者の方も多いのではないでしょうか。
なかなか自社に合う求職者と巡り会えません。
中小企業が求人採用で気をつけることはあるのでしょうか?
求職者に「働いてみたい!」と思ってもらうためには、魅力的な求人票を作成する必要があります。
この記事を読めば、求職者が応募したいと思える「魅力的な求人票」を作れるようになります。
求人採用に悩んでいる社長・採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください!
求職者が応募したくなる文章とは?
求職者が応募したくなる文章には、5つのポイントがあります。
- 求める人物像が明確である
- 会社で働く様子が想像できる
- 会社の強み・社長の思いが伝わる
- わかりやすい文章で書かれている
- 写真を載せる
それぞれ詳しく解説していきます。

求める人物像が明確である
求人票を作成する際には、ターゲットを絞りましょう。
「たった1人の人」にメッセージを送るイメージです。
理由は、ターゲットを絞ることで「自分のことだ」と思ってもらえるからです。
具体的には、このような内容を書くと良いでしょう。
- 未経験者OK
- 経験者優遇
- 〇〇の資格を持っている方
- 〇〇のスキルがある方
- 〇〇の時に〇〇できる方 など
ターゲットを絞るためには「どんな人に来てもらいたいのか」「どんな人材を採用したいのか」などを言語化し、求める人物像を明確にすることが大切です。
求める人物像を明確にすると、どんなメリットがあるのですか?
求める人物像を明確にするメリットは2つあります。
- 自社にマッチした人からの応募が集まりやすい
- よりターゲットに刺さる求人票を作れる
自社にマッチした人を採用できると、会社にも馴染みやすく、能力を発揮できる可能性が高くなります。居心地も良いので、辞めにくくなる点も大きなメリットの1つです。
ターゲットを絞らず「誰でもいい」と思って求人票を書いてしまうと、当たりさわりのない文章しか書けません。その結果、誰からも応募が来ないということになってしまいます。
求める人物像を明確にする際に大切なことは、性格で表現しないことです。
たとえば「明るい人」「元気な人」などはNG。
その理由は、自分の性格を客観的に把握できている人は少ないと考えられるからです。
どんな人でも状況次第では元気が出ないときもありますし、自信を持って「私は明るい人です!」と言える人はあまりいません。
また「元気で明るくて、素直で集中力があって、細かい気配りができて…」など、求めすぎはハードルが上がりすぎるのでNGです。
求人票に記載する際には「ここだけは譲れない」というポイントを決めましょう。
採用されたあと、会社で働く様子が想像できる
採用されたあとの生活をイメージできる求人票を書きましょう。
なぜかというと、求職者は転職で「失敗したくない」と思っているからです。
求人から応募まで、理想の流れは以下の通りです。
- 求職者が不安に感じる点を予想し、その不安を解消するために自社の情報を開示する
- 求職者は、求人票(自社の情報)を見て「ここなら大丈夫そう」「失敗しなさそう」と思う
- 求職者が自社に応募する
あらかじめ自社に関する情報をオープンにすることで、求職者自身も気づいていなかった不安を解消できる可能性があります。
不安が解消できると応募に繋がりやすいため、開示できることはできるだけ細かく記載しておくことが大切です。
一例として、このような内容を記載すると良いでしょう。
- 仕事の内容
- 1日の流れ
- 給与・賞与の金額
- 職場環境
■仕事の内容
「コンテンツの開発」「食品の製造」などの大まかな内容を記載します。
しかしこれだけでは、どんな仕事をするかがわかりません。
「お客様に何が必要かを考えて、課題を解決できる商品を開発します」「食品売場で販売するコロッケを作ってもらいます」など、それぞれ詳しい仕事内容を記載しましょう。
■1日の流れ
出社してからどのような1日を過ごすのか、日々のおおまかなスケジュールを記載すると良いでしょう。
■給与・賞与
金額は、はっきりと記載します。
たとえば「月給25万円(基本給20万円、諸手当5万円)」などです。
この場合は手当の内容も記載しましょう。
■職場環境
たとえば「Wi-Fi完備」「ウォシュレットトイレを設置」などを記載しましょう。
小さなことかもしれませんが、これだけでも印象は大きく変わります。
よくあるのが、業界や社内で当たり前だと思っていることが強みになるパターンです。
そのため、自社のことを詳細に書いて損はないでしょう。
逆に一言で終わらせてしまうと不信感につながり、避けられてしまう可能性が高まります。
社長にとっては当たり前に考えていることが、求職者にとってはメリットになる可能性もあります。
会社の強み・社長の思いが伝わる
会社の強みや社長の思いは積極的に記載しましょう。
理由は、社長の思いに共感した求職者が「一緒に働きたい!」と思ってくれるからです。
たとえばこのような内容が書いてあると、どう感じるでしょうか。
- 「成長意欲のある方は一緒に働きましょう。自社では毎月2回、外部講師を招いて勉強会を行なっています。もちろん費用は会社負担。スタッフも意欲的に学ぶ方ばかりで、お互いに高め合える関係性です。」
- 「スタッフには幸せな人生を歩んでほしいと思っています。会社は1日のうち、約3分の1の時間を過ごす場所。毎日を幸せに過ごすためには、仕事を通してやりがいや達成感を味わい、充実感を感じることが大切だと考えています。」
会社の強みや社風が伝わってきますね。
会社・社長の理念や考えに賛同して応募してきた求職者は、価値観が似ているため採用後の定着率も上がります。
わかりやすい文章で書かれている
求人票を書く際には、誰が見てもわかりやすい文章で書くことが大切です。
理由は単純で、何が書かれているかわからない求人に応募する人はいないからです。
文章をわかりやすくするために、このようなポイントを意識してみてください。
- 中学生でも理解できる文章で書く
- 専門用語を多用しない
- ひらがな:漢字のバランスは7:3が目安
- 箇条書きを混ぜて見やすくする
人は漢字が多い文章を見ると「むずかしそう…」と感じて、読む気をなくしてしまいます。
たとえばこの段落の中でも、文章を見やすくするために、あえて漢字ではなくひらがなを使っている言葉があります。
- 例えば→たとえば
- 分かる→わかる
- 平仮名→ひらがな
- 難しい→むずかしい
またこのように箇条書きを使うのも、見やすい文章を作るためのポイントです。
写真を載せる
求人サイトに写真を載せるのも、応募率を上げる1つの方法です。
その理由は、パッと見て社内やスタッフの雰囲気が伝わるからです。
スタッフの個人情報などの観点から、絶対に載せたほうが良いとはいえません。
しかし、写真があると雰囲気が伝わるため、会社で働く様子をイメージできることにも繋がります。
- 社内や休憩室などの写真
- スタッフが働いている様子
- 研修を受けている様子
- 社長が理念や思いを語っている様子
- 休憩中のスタッフがピースをしている写真
これらの写真が掲載されていると、求職者は安心できます。
求人票への記載が必須の12項目
求人票には、必ず記載しなければいけない項目が12個あります。
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働
- 賃金
- 加入保険
- 募集者の氏名または名称
- 雇用形態
1つずつ解説していきます。

業務内容
業務内容とは、会社の部署ごとに行っている仕事内容のことです。
※記載例
・一般事務
・営業
・データ集計・分析
・マーケティング業務
・食品の製造・加工
契約期間
契約期間とはその名のとおり、契約の初めから終わりまでの期間のことです。
■正社員の場合
「無期雇用契約」となり、原則として定年までの契約継続が可能。
※記載例
期間の定めなし
■契約社員やパートタイムの場合
「有期雇用契約」となり、一定期間のあいだ企業が従業員を雇用します。
有期雇用契約の契約期間は、最短1日〜最長3年。
契約期間と更新の可否などを明記しましょう。
※記載例
・契約期間の定めあり(◯年◯月◯日〜◯年◯月◯日)
・契約更新の有無
・契約更新の判断基準(勤務態度、能力など具体的に)
試用期間
試用期間とは、本採用をするかどうか決めるための期間のこと。
人柄や能力、適性が自社と合っているかどうかを判断するために設定されています。
期間は会社ごとに異なりますが、1〜6ヶ月が一般的です。
※記載例
試用期間あり(3ヶ月)
就業場所
就業場所とは、求職者が採用となった場合に、実際に勤務を行う場所のことを指します。
支店や店舗などが複数あり、将来的に異動がある場合には、その旨も記載しておくと良いでしょう。
※記載例
〇〇県〇〇市〜〜〜
就業時間
就業時間とは、求職者が採用された際に、勤務を行う時間のことです。
法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で記載しましょう。
また早出勤務などの変則勤務がある場合は、その時間と頻度についても記載が必要です。
※記載例
平日8:30 〜 17:00(土日祝休)
休憩時間
労働基準法により、勤務の途中で休憩を与えなければならないと定められています。
定められた休憩時間は、以下のとおりです。
- 労働時間が6時間以上の場合:45分以上
- 労働時間が8時間以上の場合:60分以上
※記載例
休憩時間 12:00〜13:00(60分)
休日
- 最低限週1日以上の休日
- または4週間で4日以上の休日
を取得するように定められています。
「週2回休み」の書き方は認められないので、注意しましょう。
「回」では、1日休めない可能性があるからです。
※記載例
・完全週休2日制(土日祝休)
・年間休日120日以上
・週休2日制 ※休日はシフトにより異なる
時間外労働
時間外労働がある場合には、その旨について記載する必要があります。
※記載例
時間外労働あり(月平均15時間)
(裁量労働制を採用している場合は「企画業務型裁量労働制により、◯時間働いたものとみなされます。」のような記載が必要です。)
賃金
賃金は求職者が最も気にしている項目の1つのため、具体的に記載しましょう。
また賃金の幅は狭くします。
たとえば「月給25〜50万円」などは、幅が広すぎるため良くありません。
なぜならこの例では、結局自分はいくらもらえるのかがわからないからです。
雇用側からすると希望があるように見えますが、求職者からすると「高い金額を見せて騙そうとしているのではないか」と不信感を抱き、避けられる傾向にあります。
※記載例
・基本給:20万円
・諸手当:5万円〜(皆勤手当・資格手当)
・残業手当:別途支給
・交通費:全額支給(上限3万円) など
加入保険
加入保険とは、会社で働くことで加入できる保険のことです。
一般的に、以下が該当します。
・健康保険
・厚生年金
・雇用保険
・労災保険
募集者の氏名または名称
募集者の氏名、会社名などを記載しましょう。
※記載例
株式会社◯◯
雇用形態
雇用形態は会社と求職者(労働者)の間で決められた、働き方の形態のことです。
以下の2つに分けられます。
※記載例
・正規雇用(正社員)
・非正規雇用(契約社員・パートタイム・アルバイト)
【記載例】応募したくなる魅力的な求人票作成のポイント7選
ここからは、より具体的に求職者が応募したくなる求人票作成のポイントについて解説します。
魅力的な求人票を作成するためには、以下の7つのポイントを意識しましょう。
- タイトルにこだわる
- 募集の背景を記載する
- 仕事内容をわかりやすく記載する
- 希望する人物像を具体的に記載する
- 自社の強み・社長の思いを伝える
- 「1日の流れ」「賃金」「福利厚生」は特にわかりやすく記載する
- 選考の流れを記載する
「求職者が応募したくなる文章とは?」の段落と重なる部分もありますが、それぞれ具体的に解説していきます。
求人票を作成する際には、これから解説する内容をぜひ参考にしてください。

タイトルにこだわる
タイトルにはこだわりましょう。
なぜなら、求職者が最初に見るのはタイトルだからです。
タイトルが魅力的でなければ、詳細を見てもらうことすらできません。
具体的には、このようなポイントを意識してください。
- 仕事内容はなるべく文章の左側へ
- 【】を使って目立たせる
またタイトルの長さは、短いよりも長いほうが良いです。
具体的には30文字前後がおすすめ。
タイトルを見ただけで「仕事内容」「休日」「給料(時給)」などがわかると、見てもらえる確率が上がるでしょう。
※記載例
・【急募!】◯◯をお届けする仕事です。完全週休2日制。人と話すことが好きな方。
・【未経験OK】データ入力のお仕事です。時給1,000円〜。マニュアル完備。リモート可能。
募集の背景を記載する
なぜその求人を募集しているのか、募集の背景を記載しましょう。
募集の背景が何も書かれていないと「人がすぐに辞めてしまう会社なのでは?」と不安に思われてしまうからです。
応募をしてもらうためには求職者の不安を解消し、安心してもらうことが大切です。
※記載例
・新規事業の立ち上げにより、エンジニアを新たに募集します。
・業績が伸びており、更なる売り上げアップのために追加でメンバーを募集します。
仕事内容をわかりやすく記載する
仕事内容はわかりやすく書きましょう。
なぜなら自分が働く様子を想像できると、応募に繋がりやすいからです。
たとえ同じ職種でも、会社によって少しずつ仕事内容は違うはず。
なるべく丁寧に書きましょう。
自分が働く様子をイメージできるだけでなく、丁寧に書かれていることで好印象を与えられます。
×悪い例はこちら。
・Webデザイン全般
・衛生士業務全般
業務内容が曖昧でわかりにくいうえに、少し冷たい印象も与えてしまいます。
※記載例
・クライアントにヒアリングを行い、ホームページを作成します。
・歯の定期検診に来られた患者さんの口内チェック後、歯磨き・フロスの指導を行います。
希望する人物像を具体的に記載する
求職者に「自分のことだ!」と思ってもらうために、希望する人物像は具体的に記載しましょう。
「必須条件」や「歓迎条件」も記載すると、より具体的な人物像を伝えられます。
※記載例
・フルリモート可能なため、介護との両立を考えている人にもおすすめです。
・スタッフは20代〜30代の女性が多く、子育て中の方もたくさんいます。子育てとの両立をしたい方歓迎です。
・基本的なWord・Excelの操作ができる方歓迎!難しい作業は不要です。
自社の強み・社長の思いを伝える
自社の強みや社長の思いを伝えましょう。
特に中小企業の場合は、スタッフと社長の距離が近いです。
- 「この人と一緒に働いてみたい!」
- 「◯◯の考え方が素敵だと思う。私も共感する内容だ!」
このように思ってもらえると「あなたの会社でなければ嫌なんです!」と求職者から言ってもらえることもありますよ。
※記載例
・成長意欲のある方は一緒に働きましょう。自社では毎月2回、外部講師を招いて勉強会を行なっています。もちろん費用は会社負担。スタッフも意欲的に学ぶ方ばかりで、お互いに高め合える関係性です。
・スタッフには幸せな人生を歩んでほしいと思っています。会社は1日のうち、約3分の1の時間を過ごす場所。毎日を幸せに過ごすためには、仕事を通してやりがいや達成感を味わい、充実感を感じることが大切だと考えています。
・お客様を笑顔にするためには、まずスタッフが笑顔でなければいけません。疑問に思ったことはどんなに小さなことでも相談してください。一緒に働きやすい会社を作りましょう!
「1日の流れ」「賃金」「福利厚生」は特にわかりやすく記載する
・1日の流れ
・賃金
・福利厚生
これらは求職者が最も気にする内容です。
- 1日の流れや賃金が詳しく記載されていると、自分が働くイメージができる
- 福利厚生の内容が充実していると「社員を大切にしてくれる会社なんだな」と思ってもらえる
わかりやすく丁寧に記載することで、働くイメージができるため応募に繋がります。
※記載例
<1日の流れ・保育士の場合>
8:30 出勤・子どもの受け入れ
9:00 活動(園庭遊び、散歩など)
10:30 入室・着替え
11:00 給食介助
12:00 午睡
休憩(60分)
連絡帳、日誌を書く
15:00 おやつ介助
16:00 順次降園、保護者への対応
17:00 遅出職員に伝達・退勤
<賃金>
・基本給:18万円
・諸手当:5万円〜(皆勤手当・資格手当)
・残業手当:別途支給
・交通費:全額支給(上限3万円) など
<福利厚生>
・社会保険完備
・産休育休、慶弔休暇の取得
・退職金制度あり(入社3年後より)
・駐車場完備、交通費支給
・Wi-Fiあり
・ウォシュレット完備
・休憩室にはテレビ設置
選考の流れを記載する
選考の流れを記載しましょう。
仕事に応募した後、どのような流れで選考が進んでいくのかがイメージでき、安心できるからです。
※記載例
1. エントリーフォームから応募
2.書類選考後、追って担当者から連絡をいたします。
3.一次選考:ズームにて面接を行います。
4.二次選考:簡単な適性検査を行います。
5.最終選考:対面にて面接を行います。
求職者の疑問・不安を解消できる求人票を作成しましょう
求人票を作成する際には、求職者のことを思いやる気持ちが大切です。
- 求職者が何を知りたいと思っているのか
- 何に不安を感じているのか
これらを想像し、疑問・不安を解決できる内容を求人票に記載しましょう。
また求人票を作成する前に、自社がどのような人材を求めているかを明確にしておくことも必要です。
求める人材を明確化するには、何から始めればいいですか?
弊社が作成した「求人採用パーフェクトマニュアル」がおすすめです。
このマニュアルはワークシートになっているため、順に取り組んでいくと自社の採用がすべて言語化できます。
トライアル版は無料でダウンロードできるため、求人採用で悩んでいる社長や担当者の方はぜひこの機会にご覧ください。