
「モンスター部下」という言葉を知っていますか?
聞いたことはあるけれど、よくわからない…。
このように思う社長もいらっしゃるのではないでしょうか。
モンスター部下とは、モラルに欠けた言動をくりかえし、周りの人や上司を困らせる社員のことです。
今回は以下の内容を解説していきます。
- モンスター部下ってなに?
- モンスター部下はどんなことをするの?
- モンスター部下を採用するリスクは?
- モンスター部下の対処法
- モンスター部下を採用しないためのチェックポイント
この記事を最後まで読むことで「モンスター部下への対処法」や「モンスター部下を採用しないためのチェックポイント」がわかります。
ぜひ最後までご覧ください!
モンスター部下とはなにか?
モンスター部下とは「自己中心的でモラルに欠けた行動をくりかえし、周りの社員や会社に迷惑をかける人」のことをいいます。
たとえば、以下のような人はモンスター部下といえるでしょう。
- 勤務時間中にスマホでゲームをする
- 雑用など自分がやりたくない仕事はやらない
- 自己中心的な言動で、周りの人を困らせる
また近年「パワハラ」が取り沙汰されていますが、上司が部下に対して強く注意ができないことを逆手にとり、上司から少し注意を受けただけでも慰謝料を請求してくるような人もいます。
このような社員がいれば、社内の雰囲気は乱れ、優秀な人材が辞めてしまったり、会社が不利益を被ったりしてしまう可能性があります。
モンスター部下がいる場合、どのように対応すればよいのでしょうか?
じっくりと話す機会をつくったり、会社全体で教育を行なっていく必要があります。理解を深めるために、まずはモンスター部下について知るところから始めましょう。
モンスター部下の特徴11選
モンスター部下にみられる特徴は、以下の11個です。
- 自己中心的
- モラルに欠けた言動をくりかえす
- 指示に従わない
- 少しの注意で自信をなくし、精神的に不安定になる
- 自分がやりたくない仕事はしない
- 無断欠勤・遅刻をくりかえす
- 勤務時間中に仕事とは関係ないことをする
- 取引先と問題を起こす
- 能力を向上させる気がない
- 何度も同じミスをくりかえし、改善しようとしない
- SNSで上司や会社の悪口を言う
ただし「1つでも当てはまっていたらモンスター部下である」ということではありません。
モンスター部下であるかどうかは、普段の様子を観察したり、上記であげた特徴の程度や状況などを総合的に判断することが大切です。
ではそれぞれの内容について、1つずつ詳しくみていきましょう。
自己中心的
発言や行動が自己中心的な人は、モンスター部下といえるでしょう。
具体的には
- 協調性がない
- チームメンバーが困っていてもフォローしない
- 独占プレーでやりたがる
などがあげられます。
モラルに欠けた言動をくりかえす
社会人として常識的なビジネスマナーやモラルに欠けた言動をする人は、モンスター部下といえるでしょう。
具体的には
- 基本的な挨拶をしようとしない
- 上司や取引先に対してタメ口で話す
- 提出期限を守らない
などがあげられます。
指示に従わない
上司の指示に従わず、自分勝手に仕事をしている人は、モンスター部下といえるでしょう。
具体的には
- 上司が頼んだ仕事をやらない
- 指示した内容とは違う内容で資料を作成する
- 提出期限を過ぎても提出せず、反省もしない
などがあげられます。
少しの注意で自信をなくし、精神的に不安定になる
ミスを犯した部下に対して軽く注意をしただけで、精神的に不安定になり仕事に影響をきたす人はモンスター部下といえるでしょう。
具体的には
- 職場や取引先の前など、場所や状況に構わず泣き出してしまう
- 気に入らないことがあると勤務時間中でも帰ってしまう
- 一度落ち込むと仕事が手につかない
などがあげられます。
自分がやりたくない仕事はしない
仕事を行う上では、必ずしも自分がやりたい仕事ばかりをできるわけではありません。
特に入社後間もないときには、掃除や雑務など、自分の業務に直接関係のない業務をする必要もあるでしょう。
モンスター部下はこのような作業を嫌がって、やろうとしません。
「自己成長につながらない仕事はしない」と言って雑務を一切しない人は、モンスター部下といえるでしょう。
無断欠勤・遅刻をくりかえす
無断で仕事を欠勤したり遅刻をしたりすることをくりかえす人は、モンスター部下といえるでしょう。
彼らはたとえ大切な会議があったとしても、無断で欠勤・遅刻をします。
そのため、会社や取引先にも大きな迷惑をかける可能性があります。
突発的な出来事の場合は、仕方のないこともあるかもしれません。
しかし社会人として、欠勤や遅刻をするのであれば会社に連絡を入れるのは当然です。
勤務時間中に仕事とは関係ないことをする
勤務時間中に仕事とは関係のないことをしている人は、モンスター部下といえるでしょう。
具体的には
- 勤務時間中にSNSをチェックしている
- 会社のコピー機を私用で使う
- 休憩時間が終わっても仕事に戻らずお喋りを続ける
などがあげられます。
取引先と問題を起こす
モンスター部下は、たとえ相手が会社の取引先であってもお構いなしに問題を起こします。
具体的には
- 取引先に対して挨拶をしない、タメ口で話す
- 取引先の指示に従わない
- 取引先からの指摘に反発する
などがあげられます。
彼らが原因となり、取引先との関係が悪くなってしまう可能性もあるでしょう。
能力を向上させる気がない
自分の能力を向上させる気がない人は、モンスター部下の可能性があります。
- 銀行員であれば簿記やファイナンシャルプランナーの資格を取得する
- 営業職であればコミュニケーションスキルを高める
- 伝わりやすいプレゼン資料の作り方を学ぶ
彼らはこのような、仕事で役立つ資格を取得したり勉強をしたりすることはありません。
また本人に自覚がない場合でも、極端に仕事が遅かったりミスが多すぎる部下は、モンスター部下と認識する必要があるかもしれません。
何度も同じミスをくりかえし、改善しようとしない
何度も同じミスをくりかえし、改善しようとしない人はモンスター部下といえるでしょう。
人間は誰でもミスをします。
そのためミスをすることが悪いのではありません。
問題なのは、何度も同じミスをくりかえし、改善をしようともしないことです。
SNSで上司や会社の悪口を言う
SNS上で上司や会社の悪口を言う人は、モンスター部下といえるでしょう。
特に若い世代の社員たちはSNSが身近な存在なため、仕事の不満を投稿することもあります。
プライバシーや会社の情報を伏せた状態ならまだよいのですが、上司や会社の名前を出して不満をSNS上で投稿してしまう人も中にはいます。
残念ながらこのような人は、自分の言動が会社に迷惑をかけるということをわかっていません。

モンスター部下を採用するリスク
ここからは、モンスター部下を採用した場合に考えられるリスクについて解説していきます。
モンスター部下を採用した場合のリスクには、以下の5つが考えられます。
- 会社全体の業務効率が低下する
- 優秀な人材が辞めてしまう
- 取引先や顧客に迷惑がかかる
- 業績が悪化し、金銭的なダメージを負う
- 訴訟される可能性がある
それぞれのリスクについて、1つずつ詳しくみていきましょう。
会社全体の業務効率が低下する
モンスター部下を採用すると、会社全体の業務効率が低下してしまいます。
なぜなら、彼らには以下のような特徴があるからです。
- 自己中心的で協調性がない
- 上司の指示に従わない
- 自分のやりたくない仕事はしない
このような社員がいれば、会社全体の業務がスムーズに進みません。
また周りの人が彼らをフォローする機会も増えるでしょう。
するとフォローしてくれる社員の負担は増え、不満も募り、業務効率はどんどん低下してしまいます。
優秀な人材が辞めてしまう
モンスター部下がいることで、優秀な人材が辞めてしまう可能性があります。
彼らは自己中心的で協調性がなかったり、一般的なビジネスマナーやモラルに欠けた言動をしたりする場合が多いです。
優秀な人であればあるほど、モンスター社員のいる会社で働きたいとは思わないでしょう。
取引先や顧客に迷惑がかかる
モンスター部下がいることで、取引先や顧客に迷惑をかけてしまうことがあります。
具体的には
- 取引先や顧客からの指摘に対して反発する
- 指摘されたことにショックを受け、場所を選ばず泣き出してしまう
- 納期を守らない
などがあげられます。
取引先や顧客に対して迷惑がかかると、社長自身がフォローをする必要があったり、場合によっては契約を打ち切られてしまったりする可能性もあるでしょう。
業績が悪化し、コスト面でマイナスになる
モンスター部下がいることで、以下のような事態になることが予想されます。
- 優秀な人材が辞めてしまう
- 会社全体の業務効率が低下する
- 取引先に契約を打ち切られる
このような事態になれば業績も悪化し、コスト面でもマイナスになってしまいます。
会社の存続にも関わってくるかもしれません。
訴訟される可能性がある
モンスター部下の特徴として「自己中心的」「精神的に不安定」ということがあげられます。
このような特徴から、軽く注意を受けただけでも「パワハラだ」と言って訴訟されてしまう可能性があります。
もしも訴訟された場合には、多くの時間やお金を割かなければならず、会社としての負担は大きくなるでしょう。

モンスター部下に対する対処法
会社にとって、モンスター部下を雇うことは大きなリスクを背負っているといえるでしょう。
実際に彼らが社内にいる場合の対処法としては、以下の4点が考えられます。
- じっくりと話す機会をつくる
- 違う部署へ移動させる
- 会社全体で教育を行う
- 場合によっては解雇することも考える
それぞれの項目について、1つずつ詳しく解説していきます。
じっくりと話す機会をつくる
モンスター部下がいる場合には、1対1でじっくりと話す機会をつくってみましょう。
具体的な話の内容は
- なぜ指示に従わないのか
- どのような思いで仕事に取り組んでいるのか
- 将来なりたい理想像はあるのか
など、まずは本人の考えを聞くことに焦点を当てます。
また話し合いを行う環境も考える必要があります。
仕事中に面談をするほうがよいのか、あるいは食事の場でリラックスした状態で話すほうがよいのかは、人によって異なるでしょう。
話し合いを一度行うと理解してくれる場合もあれば、何度も丁寧にヒアリングをする必要があるかもしれません。
ある程度の長期戦を視野に入れて、対応していきましょう。
違う部署へ異動させる
何度も同じミスをくりかえす場合などは、違う部署へ異動させることも有効な手段の一つです。
理由は、業務内容が合っておらず、ミスをくりかえしている可能性があるからです。
業務内容が合っていないために起こっているミスなのであれば、その人に合った部署へ異動することでミスが減る可能性があります。
異動の際には、以下のことに注意しましょう。
- 異動先の上司にモンスター部下の特徴を伝えておく
- 異動に伴い待遇が下がる場合は、事前に説明しておく
異動先の上司とはモンスター部下に関する情報をあらかじめ共有しておきます。
また再発防止のためにも、異動後は慎重に彼らの様子を観察しましょう。
会社全体で教育を行う
上司が一人で抱え込まないことも大切です。
具体的には
- 上司や周りに相談して助けを求める
- 周りを巻き込んで、自分以外の同僚や他の部下、自分の上司にも関わり方も意識してもらう
などです。
会社全体で対応していくことで、自分ひとりで取り組むよりも効果が出やすいでしょう。
場合によっては懲戒処分や解雇することも考える
何度注意を行っても改善される様子が見られないのであれば、解雇することも考えましょう。
ただし、会社側がいきなりモンスター部下を解雇させることはできません。
- 口頭で注意する
- 文書で注意する
- 始末書を提出させる
これらの手順を踏み、段階的に処分を重くしていきます。
その際には、やり取りの記録は残しておきましょう。
やり取りを記録に残しておくことで、懲戒処分や解雇を実施することになった際には証拠となり、手続きがスムーズに進みます。

モンスター部下を採用しないためのチェックポイント
モンスター部下を採用しないためには、いくつかのチェックポイントがあります。
具体的には、面接時に以下の点に注意してみてください。
- レスポンスが早く、内容が正確かどうか
- 周囲と協力して達成したエピソードがあるか
- 面接時にハッキリと受け答えをしているか
1つずつ詳しく解説します。
レスポンスが早く、内容が正確かどうか
面接の前後には、メールなどの文章でやり取りをすることがあると思います。
この時に返信が遅かったり、質問内容に答えていないようであれば採用は慎重に判断しましょう。
連絡が遅いと会社に迷惑がかかることは、安易に想像できます。
それにも関わらず返信を早くできない人は、採用後も円滑なコミュニケーションを取りにくい可能性が高いです。
またメールに書かれている内容に正確に答えられないのであれば、採用後も仕事のミスをくりかえしたり、指示に従わない可能性も考えられます。
本人に自覚がある場合・ない場合の両方が考えられますが、連絡の速さと正確性は、モンスター部下を見分ける際の判断材料となるでしょう。
周囲と協力して達成したエピソードがあるか
面接時には、これまでに周囲と協力して達成したエピソードがあるかを聞いてみましょう。
その際には「どんなチームメイト(同僚)だったか?」「工夫したこと」「難しかったこと」などの具体的な質問を聞けるとよいですね。
面接は誰もが緊張するため、うまく話せないこともあるでしょう。
しかしその中でも周囲を低く評価したり、自分の能力だけを強調してくる場合は注意が必要です。
面接時にハッキリと受け答えをしているか
面接時のチェックポイント1つ目は、面接時にハッキリと受け答えをしているかどうかです。
都合の悪い質問に対して曖昧な返答しかしない場合には、入社してからもミスを認めなかったり、人のせいにしたりする可能性があります。
質問に対してハッキリと答えていないと感じたら、その内容について踏み込んだ質問をくりかえしていくとよいでしょう。
いくら質問しても正直に答えていないと感じれば、採用は見送るほうがよいかもしれません。

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