
2022年ごろから「初任給アップ」のニュースをよく耳にするようになりました。
中小企業の人事担当者にとっては、優秀な人材の確保がさらに難しくなる死活問題です。
コロナ禍で一度減少した求人倍率も2023年卒では回復傾向にあり、採用市場の盛り上がりが予測されます。
今回は大企業による大幅な「初任給アップ」対策についてご説明いたします。
大企業は「初任給アップ」のラッシュ
初任給を含めた「賃金アップ」を前向きに検討している企業は8割を超えていると言われています。
すでに実施した企業の多くは、大企業かつIT業界や技術職など特定の業種・職種に多い傾向です。
「初任給アップ」の大きな理由の一つは「人材確保」です。コロナ禍の収束により経済が活発になることを見据えて、優秀な人材を早めに確保したい企業にとっては、有効な採用戦略といえます。

引き上げ理由の一つは値上げ?
「初任給アップ」の大きな理由として、昨今の急激な物価高も関係しています。
食品や日用品などの値上がりに賃金が追いついておらず、政府は「物価上昇に見合う賃上げの実現」を掲げ、国として賃金アップに取り組み始めました。
中小企業にできる値上げ&大企業対策
国内で「賃上げ」の機運が高まっていますが、中小企業にとって賃金の問題は簡単に取り組めるものではありません。「初任給アップ」は「全従業員の賃金アップ」につながり、物価高による材料費や固定費の増加に加え、人件費の増加は企業の存続に関わります。
ここでは、「初任給アップ」に頼らずに、中小企業が新入社員を獲得するための3つのポイントを紹介します。
- 福利厚生で働きやすさをアピール
- 各種手当で給与の底上げをアピール
- 中小企業だからこそできるキャリアアップ
新入社員獲得に向けて、明日から取り組める内容もありますので、ぜひご覧ください!
福利厚生で働きやすさをアピール
まずは「福利厚生の充実」です。ライフスタイルを重視する就活生にとって、福利厚生は初任給と同様、企業を選ぶうえでの重要なポイントです。
<主な福利厚生の例>
- リフレッシュ休暇・独自の休暇制度
- 育児支援(時短勤務・保育所またはシッター支援・社内託児所)
- 社宅・社員寮
- 資格取得補助
- 副業OK
福利厚生を充実させるうえで気を付けたいポイントは「働きやすさ」と「メッセージ性」です。

ワークライフバランスの考え方が一般的になった昨今では、ライフステージが変わっても長く働き続けられる環境であることが求められています。
さらに「企業としてのメッセージ」も重要です。「この制度は企業のどんな考え方に即しているか」「この制度を利用してどんな成果を上げてほしいか」というメッセージも一緒にアピールします。
就活生は、福利厚生を通して企業の理念や社風をチェックしています。福利厚生の手厚さだけをアピールしてしまい、押し売りにならないように注意しましょう。
各種手当で給与の底上げをアピール
「住宅手当」や「食事手当」「育児手当」などの各種手当も充実させることも大切です。
「初任給アップ」をアピールしながら家賃補助や交通費支給の制度を減らし、結果的に賃金アップとはいえないパターンも存在します。特に家賃の負担が大きい都心では「住宅手当」は大事な要素です。
また、企業独自のユニークな手当も存在します。環境への配慮を重視する企業であれば「自転車通勤手当」、テレワークを奨励する企業であれば「テレワーク手当」など、企業の理念や働き方に合わせた手当も検討してみてください。
30年以上給与水準が横ばいであることを知っている就活生にとって、変動しやすい賃金や賞与は、将来への不安要素でもあります。安定的に支給される手当は、そんな就活生の不安を払拭できる大きなメリットといえます。
中小企業だからこそできるキャリアアップ

就活生は、5年後・10年後にこの企業でどんなキャリアアップをしているか、自分の将来像をイメージしながら就職活動をしています。
大企業では、影響力の大きい仕事ができる反面、意思決定に時間がかかってしまう、管理職としてのキャリアをなかなか得られないなどのデメリットもあります。
中小企業では、人数が少ないためいろいろな仕事を同時進行でこなすことが求められますが、個人の裁量権が大きく、素早く意思決定できたり、若い社員でもチャレンジできたりといった側面があります。
経営陣との距離が近いため、経営ノウハウを学べるのも中小企業ならではの経験です。ベンチャー企業であれば、企業の事業拡大とともに自分の成長を実感できる機会も多いでしょう。
中小企業では、大企業よりも短期間でキャリアアップできる可能性があることを存分にアピールしましょう。
社内に20~30代のロールモデルがいる場合は、積極的に「先輩社員と面談」などの機会を設け、将来のキャリア像をより具体的にイメージしてもらうことが就活生へのアピールポイントになります。
求人のアピール方法を工夫して応募率を上げよう!

ここまで、主に大企業による「初任給アップ」に対抗する手段として「福利厚生の充実」「各種手当で給与の底上げ」「キャリアアップ」の3つを紹介しました。
いずれの施策も、就活生に伝わらなければ意味がありません。ただ就活サイトに登録するだけでは、コストがかかる上、就活生の目に留まりにくいことも事実です。大企業は莫大な予算をかけて新卒採用に注力していますので、中小企業が対抗するには工夫が必要です。
就活サイト一辺倒の採用活動を見直し、SNSや動画の活用、ダイレクトリクルーティングなど新たなアプローチで取り組む必要があります。
採用に悩んだ時は、ナインデザインへ
現在弊社では、新卒採用にお悩みの中小企業向けにセミナーを開催しております。
<求人採用の基礎>から<明日から何をするべきか?>まで、みっちり1時間で解説します。
「中小企業でも新卒を採用したい!でもそんなにお金はかけられない」という方でも、採用コストを下げながら優秀な人材を確保するテクニックをお教えします。
2024年卒の学生を本気で採用したい中小企業の社長様・人事担当者様はぜひご参加ください!
詳しくは下記のリンクをご覧ください!