
株式会社ナインデザインの保守管理を担当しております、中山です。
あなたの会社には、新卒採用のキャッチコピーがありますか?
また、そのキャッチコピーは戦略的に練られたものですか?
採用活動において、自社の強みや求める人物像に見合ったキャッチコピーを設定することは重要です。
本記事では、「新卒採用で使用するキャッチコピー」の役割について解説し、キャッチコピーを設定する上でのポイントや最新の企業事例をご紹介します。
- 採用キャッチコピーの役割
- 採用キャッチコピーの設定手順
- 採用キャッチコピーの企業事例(2024年卒版)
- 1.「”好きすぎる”は才能」(KADOKAWA)
- 2.「動かしたい、心がある。」(味の素)
- 3.「やってみなはれ」(サントリーホールディングス)
- 4.「枠組みを壊せ」(GMOインターネットグループ)
- 5.「可能性を絞るには早すぎる。」(凸版印刷)
- 6.「世界中の映像エンタテイメントを、あらゆるメディアに」(IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)
- 7.「救いたいのは、生命だけではない。」(中外製薬)
- 8.「ありのままの自分で、ありたい未来へ。」(JT)
- 9.「その『夢中』が、鍵だ」(キーエンス)
- 10.「真似ない、テレ東」(テレビ東京)
- 11.「”変わる”を叶えるコンサルティング」(ワークポート)
- 12.「未知こそ、未来だ」(JAXA)
- 13「あなたでないと、創れない未来を」(リコー)
- 14.「私たちが元気になる会社。お客さま、社会を元気にできる会社」(太陽生命)
- 15.「君の夢は、君を創る。」(ニトリ)
- 16.「『面白がり』、求む」(DeNA)
- 17.「美味しいをナニスル?」(日本アクセス)
- 18.「答えはきみの中にある。」(博報堂)
- 19.「1つの素材、100年の挑戦」(タカラスタンダード)
- 20.「アオい情熱を待っている」(伊藤忠商事)
- 採用キャッチコピーは効果的に活用しましょう
採用キャッチコピーの役割
まず、採用キャッチコピーには主に以下、3つの役割があります。
1.多くの学生に興味をもってもらう
2024年度も新卒採用は売手市場となることが予想されます。
そこで、まずは自社の求人情報をできるだけ多くの学生の目に留めてもらう必要があります。
学生が求人サイトを訪れたとき、最初に目に入るのが採用キャッチコピーです。
このとき、キャッチコピーで学生の興味を惹くことができれば、より詳細な情報(業務詳細、応募条件など)に目を通してもらえる確率が高まります。
よって、多くの学生に興味をもってもらうためにも、ファーストコンタクトとなるキャッチコピーの内容が重要となります。
2.採用のミスマッチを防ぐ
採用キャッチコピーには、企業と学生のミスマッチを防ぐ役割もあります。
企業方針や求める人物像をキャッチコピーに盛り込むことで、学生は企業に対するイメージを持ちやすくなります。
これにより、学生はキャッチコピーを見ただけで、自分に合った会社であるかどうかの一次判断をしやすくなります。
その結果、企業側は自社の方針や雰囲気に合った学生を集めやすくなるため、採用のミスマッチを防ぐ効果があるといえます。
3.ブランディングになる
「このキャッチコピーといえば、〇〇社」というように、キャッチコピーは、短いフレーズでその企業のイメージを一瞬にして思い浮かばせることができます。
このように、キャッチコピーは企業の第一印象を決めるものであり、ブランディングにとても有効です。
なお、ブランディングの役割を持たせたい場合、キャッチコピーには「一貫性」があることが重要です。
毎年キャッチコピーの内容が変わってしまうと、学生側にも企業のブランディングが定着しづらくなるからです。
以上の役割から、採用活動においてキャッチコピーを戦略的に設定することはとても重要だといえます。
採用キャッチコピーの設定手順
次に、どのようにして採用キャッチコピーを設定すればよいかを解説します。
採用キャッチコピーは、以下の4つの手順で設定します。
1.求める学生像を設定する
まず、ペルソナとして採用したい学生の人物像を細かく設定します。
ペルソナとは、ターゲット(採用したい人物像)をよりリアルに設定したモデルのことで、「名前」「性別」「住まい」「趣味」「専門分野」「経験」「休日の過ごし方」「仕事への考え方」などの情報を具体的に設定して作り上げます。
ペルソナについては過去の記事でも解説しておりますが、採用活動では必ず設定するようにしましょう。
この作業により、キャッチコピーを作る際、求めている人材に当てはまるキーワードを考えやすくなります。
2.自社の魅力の中で1番伝えたいことを決める
次に、自社で働くことの魅力を洗い出します。
会社の理念や方針、雰囲気、仕事内容、福利厚生などを一通り洗い出したら、最終的に学生に対して最も伝えたい自社の魅力を決定します。
3.キャッチコピーのコンセプトを確定する
1と2の作業より「こんな人にこんな魅力を訴求する」といった採用キャッチコピーのコンセプト(訴求内容)ができあがるので、そのコンセプトで問題ないかを社内で確認し、確定します。
4.短く印象的なフレーズに落とし込む
最後に、固めたコンセプトを短いフレーズに落とし込んでキャッチコピーを作成します。コンセプトを満たし、学生の心に刺さるようなメッセージをシンプルに短くまとめます。
コピーのセンスも必要なので、すぐには良いフレーズが思い浮かばないかもしれませんが、他社の事例を参考にすることで、表現の考え方を学ぶことができます。
採用キャッチコピーの企業事例(2024年卒版)
ここからは、2024年卒向け新卒採用サイトに掲載されている採用キャッチコピーの企業事例を20件紹介します。
最新の企業事例を沢山見て、自社の採用キャッチコピーを考えるヒントにしましょう。
1.「”好きすぎる”は才能」(KADOKAWA)
会社の中で働くうえで何よりも大切なことは「その仕事が好きかどうか」だというメッセージが込められています。
短いフレーズで、ひとりひとりが好きなことに向き合っている組織であることが伝わります。
「好きなことを仕事にしたい」という学生に刺さるキャッチコピーです。
引用:株式会社KADOKAWA
2.「動かしたい、心がある。」(味の素)
2030年までに10億人の健康寿命を延ばすという企業目標を持つ味の素。
10億人の健康寿命を延ばすためには、まず目の前の1人の心を動かすことが大事とのこと。
「誰かの心を動かすことに、一生懸命になれるあなたを探しています。」というメッセージが込められています。
「人の心を動かす大変さや喜びを感じたことがある」という学生が共感できるようなキャッチコピーです。
引用:味の素株式会社
3.「やってみなはれ」(サントリーホールディングス)
この言葉は、サントリーグループ創業者・鳥井信治郎氏の言葉として有名ですが、これをそのまま採用キャッチコピーに使用しています。
創業以来ずっとこの言葉を掲げていることからも、ブランディングに一貫性があるといえます。
「時代が変わろうとも、開拓者精神やチャレンジ精神を持った学生に来てもらいたい」というメッセージが込められており、「挑戦できる職場で働きたい」という学生の心をつかめるキャッチコピーです。
引用:サントリーホールディングス株式会社
4.「枠組みを壊せ」(GMOインターネットグループ)
既存の枠組みに捉われない、自由な発想で新しい事業やサービスを生み出せるような人材を求めており、それがキャッチコピーの6文字を見ただけですっとイメージできます。
「ベンチャー志向」を持った学生に刺さる一方で、安定志向の学生とのスクリーニングもできるようなキャッチコピーといえます。
引用:GMOインターネットグループ株式会社
5.「可能性を絞るには早すぎる。」(凸版印刷)
ビジネスにイノベーション・新しい価値をもたらす人材を求めていることをキャッチコピーに込めています。
「挑戦志向」を持った学生に刺さり、かつその想いを応援してくれる会社であることが伝わるキャッチコピーといえます。
引用:凸版印刷株式会社
6.「世界中の映像エンタテイメントを、あらゆるメディアに」(IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)
「映像関連の会社」「国境を越えてグローバルに活動している会社」であることが、キャッチコピーからわかります。
こちらの会社は、IMAGICA GROUPの映像コンテンツ関連を扱う、比較的新しい会社(2021年設立)ということもあり、まず「何をやっている会社か」がわかるようなキーワードを詰め込んでいます。
「映像関連でグローバルに活躍したい」という学生に目を留めてもらえる可能性が高いキャッチコピーといえます。
引用:株式会社IMAGICAエンターテイメントメディアサービス
7.「救いたいのは、生命だけではない。」(中外製薬)
「生命の他に何を救いたいのだろう?」と先が気になって詳細を読みたくなるキャッチコピーですね。
キャッチコピーの役割でも解説しましたが、まずは学生の興味を惹いてより詳細な情報を見てもらうことが重要ですので、それを上手く狙ったキャッチコピーだといえます。
引用:中外製薬株式会社
8.「ありのままの自分で、ありたい未来へ。」(JT)
一般的な正解がない時代だからこそ、「変化に惑わされることなく自分なりの想いや正解を持ってほしい」という学生への想いが込められています。
JTでは「社風」を最も大切にしており、自分らしく働く個性豊かな社員がたくさんいることを自社の強みだと考えています。
よって、自社の社風に共感してくれそうな「ありのままの自分でいられる環境」を求める学生に刺さるキャッチコピーを設定しているといえます。
引用:日本たばこ産業株式会社(JT)
9.「その『夢中』が、鍵だ」(キーエンス)
キーエンスは、付加価値の創造のためには「夢中」であることが鍵だという理念を持っています。
同社のキャッチコピーは、絶対的な「夢中」というキーワードを前面に出し、さらに社名に掛けた「鍵」という単語を使うことで、メッセージと合わせて社名も印象付けられる効果が期待できます。
キャッチコピーのフレーズを考える際に、「推したいコンセプト」と「社名」に共通するワードがないかを探してみるのも良いですね。
引用:株式会社キーエンス
10.「真似ない、テレ東」(テレビ東京)
「独自の発想」を大切にするテレビ東京のキャッチコピーは、「真似ない」というシンプルなワードで独自性のある学生を求めていることを訴求しています。
また、このキャッチコピーのように「〇〇しない+社名」「〇〇する+社名」という形にすることで、「この会社の他社と違うところは〇〇なんだ」という印象をストレートに与えられるでしょう。
引用:株式会社テレビ東京
11.「”変わる”を叶えるコンサルティング」(ワークポート)
「コンサルティング」と一言で言われても、詳細を見ないと何をやっているかイメージがつかないかもしれません。
そんな中、このキャッチコピーは「”変わる”を叶える」という修飾句から、「何かを変えたい人の力になれる仕事ができそう!」という、より具体的なイメージを学生に想像させることができます。
業務内容をよりイメージできるようにしたキャッチコピーといえます。
https://www.workport.co.jp/corporate/recruit2024/
引用:株式会社ワークポート
12.「未知こそ、未来だ」(JAXA)
JAXAが担う宇宙航空分野は、まだまだわからないこと・できないことが沢山あります。
同社のキャッチコピーは、未知なる宇宙が未来への夢と希望を持っていることを語感のよいフレーズで表現しています。
「未知のことに挑戦したい」という学生に刺さるキャッチコピーです。
引用:JAXA
13「あなたでないと、創れない未来を」(リコー)
「よりよい未来を創るのは、当事者意識を持って主体的に仕事に取り組む自律型人材だ」という会社の考え方を、学生にも伝えられるように練られたキャッチコピーです。
「自律型で自分にしかできないことを持っている学生」に来てもらいたいという想いが伝わる、求める人材を強調したキャッチコピーといえます。
引用:株式会社リコー
14.「私たちが元気になる会社。お客さま、社会を元気にできる会社」(太陽生命)
とにかく「元気」という言葉を大切にしていることがわかるキャッチコピーです。
採用サイト内にもあちこちに「元気」のワードが見られ、企業ブランディングの一貫性を感じます。
会社にとって外せない絶対的なワードが強調されたキャッチコピーです。
「元気」という言葉が好きな学生の目に留まれば、第一印象から心をつかむことができるでしょう。
引用:太陽生命保険株式会社
15.「君の夢は、君を創る。」(ニトリ)
ニトリでは、若者にもっと「夢」を見てほしいという想いから、若者の夢とキャリアに真剣に向き合う採用活動を行っています。
「夢を持ってその実現に向けて行動できる人」を求めていることが伝わるキャッチコピーです。
引用:株式会社ニトリ
16.「『面白がり』、求む」(DeNA)
「どんな困難にあっても、その状況を面白がってくれる人と一緒に働きたい」という想いが込められています。
「面白がり」という言い回しが印象に残り、また、その言葉が意味する具体的内容を知りたくなるようなキャッチコピーです。
参考:株式会社ディー・エヌ・エー (https://student.dena.com/)
引用:株式会社ディー・エヌ・エー
17.「美味しいをナニスル?」(日本アクセス)
日本アクセスは、総合食品卸売業として、さまざまな食のフィールドで活躍している会社です。
「美味しい」という単語で「食」に関する会社であることを認知させ、「この会社であなたはどんな仕事をしてみたいですか?」と、企業側から問いかけるようなキャッチコピーになっています。
「美味しいを〇〇する仕事ってどんなものがあるのだろう?」と学生に興味を持ってもらえることが期待できます。
引用:株式会社日本アクセス
18.「答えはきみの中にある。」(博報堂)
老舗の広告代理店である博報堂の採用キャッチコピーには、「もしもこの会社で働いたら、どんなことができるだろう」と学生に楽しく想像してほしいという願いが込められています。
応募する学生に「自分らしさ」を求めていることが伝わるキャッチコピーです。
引用:株式会社博報堂
19.「1つの素材、100年の挑戦」(タカラスタンダード)
タカラスタンダードは、創業以来「ホーロー」という素材にこだわり続けた結果、世界最高レベルのホーローを開発し、それを武器に水回りを得意とする住宅設備機器メーカーへと成長しました。
このような、1つの素材に対して挑戦を続けている同社の姿勢を採用キャッチコピーに入れ込んでいます。
会社の姿勢を示すとともに「挑戦を続けて自分を高めていける」ような学生を求めているキャッチコピーです。
引用:タカラスタンダード株式会社
20.「アオい情熱を待っている」(伊藤忠商事)
一般的に情熱といえば赤色のイメージですが、「アオい情熱」という表現によって「どういう情熱だろう?」と学生の興味を惹きつけています。
採用サイトを見ると「アオくさくて笑われてしまうような、でっかい夢に情熱を燃やせる人に出会いたい」というメッセージを込めたとのこと。
また、「アオ」は企業カラーの青にも掛かっていることから、ブランディングの効果も出ているといえます。
引用:伊藤忠商事株式会社
採用キャッチコピーは効果的に活用しましょう
本記事では、採用キャッチコピーの役割・作り方と最新の企業事例を紹介しました。
魅力的なキャッチコピーが完成したら、採用サイトや説明会、SNS等でどんどん広げていきましょう。
その際、キャッチコピーの言葉に込めた意味をしっかりと伝えていくことが大切です。
印象的なフレーズで一時的に学生の心をつかめたとしても、その説明が伝わっていなければすぐに忘れ去られてしまいます。
採用サイトや説明会を通して、「キャッチコピーのメッセージは本当なんだ」と実感してもらうことで、より学生の心に残り、効果的な採用活動を行っていけるでしょう。
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