
こんにちは、株式会社ナインデザインのライター担当:田中です。
「求人を出しても応募が来ない」「内定を出しても辞退されてしまう」といった採用の悩みを抱えている中小企業も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな悩みをお持ちの採用担当の方に向けて、採用コストを抑えながらも自社にマッチする人材を採用するためのコツを紹介します。
中小企業が抱える採用の課題
近年、少子化による労働人口の減少に伴い、企業の採用は厳しい状況が続いています。
コロナの影響で落ち込んでいた採用市場も回復傾向にあり、特に中小企業は、超売り手市場の採用難に直面しています。
まずは、中小企業が抱える採用の課題について詳しく見ていきましょう。

採用コストが少ない
企業の採用活動には、求人広告の掲載や説明会の開催など、どうしてもコストがかかります。大企業と中小企業では採用活動にかけられるコストが異なり、中小企業の採用コストは大企業の3分の1程度であると言われています。
採用にかけられる予算が少なければ、その分求職者にアプローチできる機会が少なくなってしまうため、採用は難しくなります。
知名度が低く応募者が集まらない
せっかく求人サイトに掲載しても、企業名が認知されていないため求職者に見てもらえないという問題もあります。
膨大な量の求人情報の中から自社の情報を見てもらい、さらに応募してもらうためには、企業の知名度が必要なのです。
知名度の低い中小企業は、ただ求人サイトに掲載しているだけでは見つけてもらえない可能性が高く、大企業とは違った角度からアプローチしていく必要があると言えるでしょう。
内定辞退率が高い
応募者を獲得し内定に至っても、内定者が入社後のイメージを明確に描けなければ内定辞退につながってしまいます。
インターネット上で口コミなどのさまざまな情報を得られる大企業に比べ、中小企業の場合、入社前に得られる情報は多くはありません。労働条件などの待遇面や職場の雰囲気、キャリアパスといった入社後のリアルな情報が不足していることが内定辞退につながっていると考えられます。
また、いわゆる「滑り止め」目的で応募し、本命の大手企業で内定が出ると辞退してしまうケースもあり得ます。「とりあえず受けてみたけど、ここで働いてみたい」と思わせるような選考過程をつくることが大切です。
採用を成功させるコツとは?

以上の課題を踏まえ、中小企業の採用を成功させるためのポイントを紹介します。
ターゲットを明確にする
どんな形で採用活動を行う場合でも、まずは採用ターゲットを明確にすることが重要です。自社が求める人物像を明確にすることで、よりマッチした人材を採用しやすくなります。また、ピンポイントでターゲットに合った戦略を考えられるため、効率的に採用活動を進められるというメリットもあります。
ターゲットを定める際には、自社の経営方針や将来のビジョンを踏まえて具体的な人物像を描きましょう。たとえば、「新しいアイデアを生み出す人」「規則をしっかり守る人」「顧客の立場で物事を考えられる人」など、自社の求める人物像を明確に言語化します。
ダイレクトリクルーティングを活用する
中小企業が大手の求人サイトに掲載しても、求職者の目に留まらないケースも多くあります。そこで近年注目されているのが「ダイレクトリクルーティング」です。
ダイレクトリクルーティングは「攻めの採用」とも言われ、求職者による応募を待つのではなく、企業側が狙った人材に直接アプローチする採用方法です。多くの求職者が登録するプラットフォームを利用し、最初に設定した「自社の求める人物像」にマッチした人材に直接メールを送り、面談を申し込むといった流れでアプローチしていきます。
自分宛のメールを「知らない企業だから開かない」という求職者は少なく、この方法であれば知名度の低い企業であっても認知してもらえます。また、求人サイトに掲載し、説明会を経てエントリーを募り、選考を進めていくという従来の方法よりも採用コストを抑えられるというメリットもあります。
そのほか、SNSを活用して望ましい人材に直接アプローチする「SNS採用」や、自社の従業員から有望な知人を紹介してもらう「リファラル採用」もダイレクトリクルーティングの一種です。
発信を工夫する
採用を成功させるためには、求職者に自社の魅力を知ってもらうことが大切です。企業側は、情報収集のトレンドなども意識しながら、より求職者の求める情報を発信する必要があります。具体的なポイントを以下に解説します。
SNSの活用
近年、TwitterやInstagramなどのSNSを活用する企業が増えています。これは、求職者世代が情報収集にSNSをメインで利用しているためです。
SNSで自社の情報を発信すれば、興味を持った求職者からメッセージで直接応募が来るケースもあり、より志望度の高い人材を集められるというメリットもあります。
動画の活用
自社の魅力を紹介する際には、職場の様子や社員インタビューなどを動画にまとめるのがおすすめです。動画は視覚と聴覚の両方に訴えかけるため、パンフレットなどに比べてリアルな情報を、より多く伝えられるという特徴があります。「タイムパフォーマンス」を重視する最近の求職者層には、動画での訴求が効果的です。
また、求職者が自分の働く姿をリアルにイメージしやすくなるため、自社により興味を惹くことができ、応募につながりやすくなる点も動画のメリットだと言えるでしょう。
内容の作り込み
いくら情報を発信しても、求職者が求めている情報でなければ意味がありません。自社の魅力が伝わるよう、ターゲットの求めている情報をわかりやすく伝えましょう。具体的には次の5つの要素を打ち出すことがポイントです。
・事業内容:どんなビジネスモデルなのか。 どんな社会貢献につながっているのか。
・仕事内容:どんな仕事をするのか。 やりがいはどんなところか。
・社員:どんな社員が、 どんな想いで働いているのか。働き方はどうか。
・文化:会社で大切にしていることは何か。 職場はどんな雰囲気か。
・制度:どんな制度があり、実際どのように利用されているのか。
内定者のフォローを手厚くする
内定辞退を防いで採用を成功させるためには、候補者に自社の魅力を感じてもらえるような選考過程と、内定後のフォローが大切です。
選考過程については、インターンシップなどのように、実際の仕事を体験できたりイメージできたりするものが効果的です。最近では、面接のように堅苦しいものではなく、気軽に仕事内容や社風について話せる「カジュアル面談」を取り入れる企業も増えてきています。
また、新卒採用の場合は、内定が出てから入社までに一定の期間が開いてしまいます。その期間中に不安から否定的な考えを持ったり、就職活動を続けてより条件の良い会社を目指したりすることで、内定辞退につながるケースも少なくありません。
この間に内定者へのフォローを行い、入社後の姿をイメージした上で入社に期待してもらうことが重要なのです。具体的には次のような施策が効果的です。
・交流会:多くの社員と接点を持つことで入社後をイメージしやすくなる。
・座談会:社員を交えて入社後に得られる体験などを語り合う。
・面談:座談会よりも少人数で行う。大勢の前では聞きにくいことも率直に話せる。
・研修:新しい環境への不安を軽減するために、簡単な入社前研修を行う。
ポイントをおさえて採用を成功させよう

やり方によっては、中小企業でも自社の求める人材を採用することは可能です。既存のやり方にとらわれず、新しい採用方法にも視野を広げてみてはいかがでしょうか。
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