
コロナ禍のリモートワークの普及によって、悩みの上位に上がるのがスタッフとのコミュニケーション。
「進捗はどのくらい進んでいるのだろう?」
「何か仕事上で悩んでいることはないかな?」
など、仕事の進捗やスタッフの状態などを気軽に聞くことが難しくなっています。
リモートワークがない職業でも、意外とこのようなスタッフとのコミュニケーションに悩んでいる企業さん・医院さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
本日は1on1ミーティングの目的や効果的な進め方をご紹介していきます。
- 1on1ミーティングの目的は「スタッフの成長のための時間」
- 1on1ミーディングの流れ
- 1on1ミーティングで得られるメリット
- 1on1ミーティングで注意するべきこと
- 効果的な1on1ミーティング内容の例
- 自分自身の目標の壁となる事象を取り除き、より専門性の高い内容にチャレンジする
1on1ミーティングの目的は「スタッフの成長のための時間」
1on1ミーティングはこれまで主流だった「面談」とは異なります。
面談はスタッフに助言をしたり業務評価を行う、上司が主役となる内容でしたが、こちらはスタッフの能力を引き出す成長のための時間となります。
1on1ミーティングを行うことで上司とスタッフの信頼関係の構築や、スタッフの能力を引き出すことができ、結果的にチームのパフォーマンスの向上に繋がり、成果を伸ばすことができます。
1on1ミーディングの流れ

1on1ミーティングは、以下の4手順の流れで行なっていきます。
1.ミーティングの実施をスタッフに周知する
まずは1on1ミーティングの実施をスタッフに周知します。
しかし突然実施すると言われただけでは、スタッフの方も「どんなことを話せばいいのか」「発言が評価に繋がるのではないか」と不安になってしまいます。
そのために目的も一緒に伝える必要があります。
先ほどお伝えしたように、1on1の目的は「スタッフの成長のための時間」になりますので、そのことを伝えつつ、初めはどのようなことを話せばいいか分からないという方も多いので
「(業務上や私事関係なく)何か困っていることはないか」「課題や目標について」などテーマを決めておくとスムーズに進めることができます。
2.日程を決める
1on1ミーティングは週1回、最低でも月1回と短い間隔で実施するミーティングです。
そのため、都度日程を設定してしまうと通常の業務との関係で優先度が下がってしまう恐れがあります。
ですので「毎週月曜日の13時から」「毎月第2水曜日の10時から」など具体的に決めてしまうことで、いつの間にか実施しなくなってしまったという事態を防ぐことができます。
また、急な業務でその日実施できなかったとしても、キャンセルするのではなく近い別日にリスケジュールしましょう。
「今日のミーティングが難しくなってしまったので、代わりに◯日の◯時からできますか?」
と提案することで、スタッフとの時間を大切にしているということを伝えることができます。
3.1on1ミーティングの実施
主にスタッフの成長を目的とするミーティングですので、ミーティング内容の記録は欠かせません。
前回・前々回など一度話した内容に対して、上司がその内容を忘れてしまっては、スタッフとの信頼関係を構築することが難しくなってしまいます。
ミーティングで話した内容をシートなどに記録し、忘れない・いつでも見返せるようにすることが重要です。シートはスタッフも見れるようにすると認識の齟齬を減らすことができます。
4.次回のミーティングの準備(継続的な実施)
初めは1on1ミーティングに取られる時間に対して、効果が出ていないのではと思うところがあるかもしれません。
ですが継続することで、スタッフとの普段のコミュニケーションの量や質が変わってくることを実感できるようになります。
スタッフからも何か問題が起きたときに上司に相談しやすくなり、問題にすぐに対処できるようになるメリットもあります。
1on1ミーティングで得られるメリット
1on1ミーティングを実施することで得られる5つのメリットをご紹介します。
スタッフの成長促進
今後の目標や、身につけたいスキルなど上司と相談しながら方向性を固めることができるので、迷いも解消されやすく、効率的に成長することができます。
また、仕事のフィードバックの時間にすることもできます。
スタッフが失敗してしまった時に、ただ指摘するのではなく
- どのような過程で問題が起こってしまったか
- どこを改善すれば同じ失敗を起こさなくなるか
を一緒に振り返ることで、スタッフも自分自身の課題に気づくことができ、上司もここで話した内容がこれからの指導に活かせるようになりますよ。
仕事の進捗状況が分かりやすくなる
上司にとってもスタッフが抱えている仕事の進捗状況や行き詰まっている部分が分かるというメリットがあります。
リモートワークで進捗を確認することが難しいことはよくニュースなどで取り上げられますが、従来の業務でも自分の日々のタスクに追われて、スタッフの進捗状況の確認が疎かになってしまうケースがあります。
あらかじめスケジュールを決定して1on1ミーティングを行うので、進捗状況が明確にできます。
スタッフとの信頼関係の構築
コミュニケーション不足に陥ると、認識の違いや連絡ミスなど業務に支障をきたしてしまう恐れがあります。
スタッフも気軽に相談ができず「意見を聞いてもらえない…」と不安になってしまい、最悪の場合離職に繋がることもあります。
以前の日本では業務終了後にスタッフと飲みに行き、仕事のことや個人的な内容の会話をすることでコミュニケーションを取ることが多かったですが、最近はスタッフのプライベートも重視されるようになり、時代にそぐわないコミュニケーションの取り方となってしまいました。
そのため上司とスタッフが1対1でお互いの近況を知り、コミュニケーションを深められる1on1ミーティングは重要な信頼関係構築の場所と言えます。
スタッフに対する理解を深める
スタッフの話にしっかり耳を傾けることで、日頃何を考えているのか、どのような気持ちで業務に取り組んでいるのかを知ることができます。
スタッフのことをもっとよく知りたいのであれば、趣味の話をしてみるのも良いかもしれません。
スタッフの意外な一面を知ることができますよ。
スタッフのモチベーションを上げる
1on1ミーティングで信頼関係が構築できれば、スタッフは上司に意見を伝えやすくなります。
伝えた意見が業務改善のきっかけになったり、待遇に反映されれば「自分の意見を聞いてもらえるんだ!」とモチベーションが高まります。
スタッフ目線で職場環境改善を行えるので、スタッフも能力を発揮しやすくなり結果的に以前よりも良い成果を出すことができます。
1on1ミーティングで注意するべきこと

1on1ミーティングを始めたばかりの時は、つい「面談」のような形で進めてしまうこともあるかと思います。
1on1を行うときに以下の点に注意することで「スタッフ主体のミーティング」にすることができます。
スタッフの話に耳を傾ける
スタッフの悩みや業務で行き詰まっている内容を聞くと、思わず具体的なアドバイスをしたくなりますが、そこはぐっと我慢してスタッフが「どのようにしたいのか」話をよく聞くようにしましょう。
上司もスタッフもお互いメモをとる
「1on1ミーディングの流れ」でもご紹介しましたが、ミーティングで話した内容は記録を取っておくことが重要です。
やはりスタッフ全員の話を覚えておくのは大変ですし、メモとして見える状態にすることで情報の整理ができたり問題の解決策も考えやすくなります。
スタッフ側もメモをすることで自身の考えの整理になりますし、改善案やタスクもメモしておくことですぐに取り掛かれるようになります。
効果的な1on1ミーティング内容の例
「1on1ミーティングではどんなことを話せばいいのか分からない…」
という方に向けて、内容の一例をご紹介いたします。
自分自身で学びや気づきを深め、業務の困りごとを解決する
緊急度が高い相談はしやすいですが、期限が決まっていないことや小さな相談は上司に相談するタイミングが難しいと感じるスタッフさんは多いです。
1on1ミーティングではそのような「緊急度は低いが重要な内容」を話し合うことができます。
ミーティング内容の例
- 緊急ではないが課題や困っていること
- 気づきや学び(小さなことでもOK)
- チャレンジしてみてよかったこと
- 次にチャレンジしたいこと
自分自身の目標の壁となる事象を取り除き、より専門性の高い内容にチャレンジする
専門性が高い職種の場合、上司よりも優れたスキルを持つスタッフもいます。
そんな場合、上司はどのようにスタッフのスキルアップにアドバイスができるか不安になることでしょう。
優れた能力や経験を持つスタッフも自分なりの答えを探しているので、上司の経験や立場から一緒に答えを導き出せるようにしっかり傾聴や質問をしましょう。
ミーティング内容の例
- 現在取り組んでいる仕事の確認
- その中で課題や困っていること
- 上司が力になれることはないか
スタッフとのコミュニケーションを深める
まだ入社して間もないスタッフ場合は特に、コミュニケーションがなかなか取れず、どのような人となりか分からないということもあります。
そんな時はまず、プライベートに関する話題や最近のニュースの話題など、身近な内容から話してみてください。ただし、スタッフも上司のことがまだよく分かっていない時期なので、プライベートの話題は深くなりすぎないように気をつけましょう。
ミーティング内容の例
- プライベートに関する話題(週末何をしたか?、趣味は何か?)
- その出来事に対する感想等を聞く(楽しかったか?、どんな趣味をやってみたいか?)
このようにコミュニケーションを深めることでスタッフがどのような人物か明確になっていき、スタッフ側の緊張も解れていきます。
そしてミーティングの回数を重ね、次の段階へ進む時に先ほどお伝えした「学びやスキルアップ」の話に繋げていきましょう。
今後のキャリアについて考える機会を設ける
今後のキャリアについて不安を持っているスタッフも多く、それを上司に相談する機会はなかなかないことがあります。
所属している組織で「自分が思い描くキャリアが実現できないのでは?」と思われてしまうと、離職に繋がる可能性もあります。
キャリアについての相談はスタッフと相談しながら3ヶ月に1回ほど議題として上げると良いでしょう。
ミーティング内容の例
- 今後実現したいキャリア
- 直近で一番力を入れて取り組んだ業務
- スタッフの強み・弱みを明確にする
- 現在の業務のやりがいや、大切にしていること
- 今後のキャリアの希望や方向性の確認や、それに対する課題の相談
ランチミーティングを1on1ミーティングにしてもOK
お昼ご飯を食べる間だけなので1on1ミーティングの特徴の30分と相性が良く、スタッフの方もあまり緊張せずに参加することができます。
1on1ミーティングは毎週・毎月行うものなので、ランチミーティングを取り入れる場合は2ヶ月〜3ヶ月に1回と組み込み、スタッフのとのコミュニケーションを深めるようにしましょう!