
「面接時、どの応募者も似たような回答をする」
「経験者と聞いたのにスキルも知識も今一つだった… 」
「面接の時は好意的だったのにすぐ辞められてしまった」
院長先生は、こんな経験ありませんか?
これは、もしかしたら面接時の質問内容が原因かもしれません。
歯科助手は経験者・未経験者で面接の対応が大きく異なります。
さらに、歯科助手経験者のなかでも「どの業務を経験したことがあるか」で、また聞くべきことが変わってきます。
歯科助手が受付やバックヤード業務、カウンセリングなどを兼任する医院も多くあります。
仕事の内容をしっかり伝えて求職者の意向を面接で確認しないと、「こんな仕事するなんて聞いていない」と、上記のようなミスマッチが起きる可能性が …。
そこで、今回は歯科助手採用を目指す歯科医院に向けた面接対策をご紹介します!
今すぐ活用できる質問集も用意しているので、ぜひ最後までご覧ください!

歯科助手面接の基本
相手によって質問の内容は変えましょう
院長先生は、応募者によって質問内容を変えていますか?
「歯科助手の求人」とひと口に言っても、応募者にはそれぞれの背景があります。
・歯科助手経験者/未経験者
・独身/子育て中/子育て終了
・医療業界経験者/未経験者
・応募のきっかけ
一人ひとり、応募に対する状況は大きく異なります。全員に対してマニュアル通りの同じ質問をしていても、医院の真意も伝わりませんし、応募者の気持ちや本心も聞けないですよね。
面接時に相手の立場に沿った質問をすることで、医院にとってマッチした人か、応募者にとってマッチした職場か判断ができるようになります。
それでは、どんな面接の流れでどんな質問をするといいのでしょうか?
面接のノウハウと、聞いておくべき質問について順を追って説明します!
応募者ファーストな面接の流れ
理想とする面接の流れは以下の通りです
1. アイスブレイク
2. 自院のプレゼン/応募者の自己紹介
3. 応募者への質問
4. 応募者からの質問
5. 事務確認
1.アイスブレイク
アイスブレイクの目的は「緊張をほぐすこと」にあります。
採用とは関係のない質問で応募者の緊張をほぐし、自然体で面接ができるように持っていきましょう。
Q.今日は暑い(寒い)ですね、部屋は暑く(寒く)ないですか?
Q.来院されるとき迷いませんでしたか?
Q.今日はお車(バス・地下鉄)ですか?
2.自院のプレゼン/応募者の自己紹介
・どんな分野を力を入れている医院なのか
・どんな従業員がいるのか
・どんな理念を掲げているのか
・どのような診察方針なのか
・どの年代の患者様が多いのか
まずはしっかりと自院のことを話してから、応募者の自己紹介に移りましょう。
3.応募者への質問
応募者に自己紹介をしてもらったら、いよいよ質問です。
質問内容は大きく3つに分けられます。
・自身について ・これまでの経歴について ・志望動機について
この3つの質問を上手に組み合わせて質問をしましょう!
詳しい質問例については次でご紹介します。
4.応募者からの質問(逆質問)
「聞いておきたいことはありますか?」と質問を促します。
「選考について〜」「当院について〜」などを頭に加えると、応募者も質問がしやすくなりますよ。
面接で疑問点が解決できると応募者の不安も減り、その後の辞退や入職後のミスマッチを防ぐことができます。
5.事務確認
最後は選考に関する事務確認です。必要事項はお伝え漏れのないように!

【経験者向け】歯科助手面接で聞くべき質問7選!
応募者への質問の際に、先生はどんなことを聞かれていますか?
まず、質問をする際に心得ておくことが2点あります。
1つ目は、ただ聞くのではなく、目的を持って質問をすること。
2つ目は、揺さぶるのではなく、相手のいいところを引き出すような質問をすること。
この2点を重視し、経験者の歯科助手の面接で聞くべき質問7選をご紹介します!

1.ご自身について
質問1「学生時代を含めて、自己紹介をお願いします。」
まずは、学生時代を含めた自己紹介をしてもらいましょう。
歯科助手は特別な資格が必要ない職種のため、応募者によってこれまでの経歴は様々です。
履歴書の記載内容を読むだけでなく、そこから少し深掘りしてみると応募者の特徴が読み取れるようになります。
質問2「ご自身の強みを教えてください。」
「細かい仕事が得意で手先が器用」「苦手なこともコツコツ努力して取り組める」「初対面の人ともすぐに仲良くなれる」など、応募者自身が考える業務に関するスキル・マインド面の強みを聞き出すことができます。
2.これまでの経歴について
質問3「前職で担当されていた業務について教えてください。」
歯科助手を経験していた応募者には「どんな仕事をしていましたか?」ではなく、細かい業務内容をぜひ聞いてみてください。
アシスタントを担当していた方もいれば、滅菌やバックヤード業務をしていた方、カウンセリングをしていた方など、人によって担当していた業務は様々です。
主に事務と受付業務をしていた方に前職の業務を聞かずに「歯科助手経験者だから」といきなりアシスタントを依頼すると…医院と新人スタッフですれ違いが起きてしまいますよね。 こういったすれ違いは医院への信頼を失うきっかけとなってしまいます。
メイン業務からサブで行っていた業務まで、細かく聞き出しましょう。

質問4「退職を決めた理由について教えてください。」
応募者によっては言いづらいこともあるかもしれませんが、自院とミスマッチが起きないためにも、質問することをおすすめします。
「結婚を機に…」「子育てとの両立が難しく…」という方だと、同じような子育て世代の方が在籍している医院の方が働きやすくミスマッチも起きづらいです。
「研修や勉強会などの業務以外の時間が多かった」という方が、果たしてあなたの医院に合うかどうか…ちょっと悩んでしまいますよね。
ただ、重要なことは応募者を揺さぶらないこと!
「入ってからミスマッチが起きないためにも」と前置きを入れて、やんわりと聞いてみてくださいね。
3.志望動機について
質問5「なぜ当院に興味を持ったのですか?」
歯科助手を経験していた方が、たくさんある歯科医院の中でもあなたの医院を選んだ理由は何か、気になりますよね。
医院の雰囲気や診療内容、福利厚生、働き方など、応募者によって興味を惹かれる箇所は様々です。そして、応募者の「興味を持ったきっかけ」が**「あなたの医院の強み」**になります!
質問6「当院ではどんな業務に携わってみたいですか?」
これまでの業務内容を聞くだけなく、これから医院で働く未来についても考えてもらいましょう。
もしかしたらやりたい業務や学びたいことがあって転職をしたのかもしれません。
質問7「当院でどのようなスキル・マインドを得たいですか?」
上の質問と少し似ていますが、ここでも医院で働くご自身の姿をイメージしてもらいます。
アシスタントのスキルを得たい、接遇スキルを得たい、仕事とプライベートのメリハリをつけたい、子育てだけではなく働くことで社会に参加したい、など、スキル・マインドに関して様々な意向があるかもしれません。
このような、働きはじめたあとの「未来の姿」は過去の話と比べてもポジティブな意見が出やすいことが特徴です。ぜひ積極的に活用していきましょう!

意外と多い!「未経験歓迎」な歯科助手の募集
院長先生にもよりますが、歯科助手を募集する中には「歯科助手未経験」の方を積極的に採用する医院が多くあります。なぜ知識もスキルもある経験者より未経験者を採用したがるのでしょうか?
その理由は「素直さ」にあります。
歯科医院は院長先生一人体制の医院が多く、医院によって診療方法や治療の仕方も大きく異なります。
前の医院のやり方が身についている方は「前はこうでした」「このやり方しか知りません」と、新しい医院のやり方を素直に聞き入れない方も一定数いらっしゃいます。
そのため、「未経験の人の方が素直に取り組んでくれる」と積極的に採用される傾向があります。
とはいえ、これは医院側の事情。
求職者目線では「こんなこと面接では聞いていない」「思っていた業務と違う」とミスマッチが起きている可能性も考えられます。
歯科助手未経験の方には、どんな質問をするといいのでしょうか?
効果的な聞き方7選をご紹介します!

【未経験者向け】歯科助手面接で聞くべき質問7選!
1.ご自身について
質問1「学生時代を含めて、自己紹介をお願いします。」
ここでも、学生時代を含めた自己紹介をしてもらいましょう。
未経験者で応募をする時は、もしかしたら新卒や初めて社会人となる人もいらっしゃるかもしれません。これまで働いたことが無い方が来られた時も柔軟に対応できるように、就労歴以外のご経歴を聞いておくことをお勧めします。
質問2「歯科医療・医院に関する経験はありますか?」
看護系を学んでいた方や歯科技工士として働いていた方、歯科医院・病院の受付をしていた方、栄養士として働いていた方など「歯科助手は未経験」でも近いお仕事をしていた方が来られることがあります。
資格や就労歴にあると履歴書で分かるのですが、アルバイトなどでは記載されていないことも。聞き漏れの無いようにしっかり確認しましょう。
2.これまでの経歴について
質問3「前職ではどのような仕事をしていましたか?」
これまでどんな仕事をしてきたのかを聞くことで、その仕事がここでどう活かせるのか・どんな働き方が期待できるのかが見えてきます。
「ホテルの受付」として働いていた方なら接遇マナーの講師になれますし、「保育士」として働いていた方なら小児歯科でお子さんの対応を任せられます。
ここでも、ただ聞くだけでなく「ホテルの受付」なら「どんな業務をしていたのか(教育や幹部業務など)」「保育士」なら「何歳クラスが多かったか」などできる限り深く聞きましょう。

質問4「前職で、最もストレスに感じたことは何ですか?」
前職の経験があるからと言って、それに近い仕事を与えたら本当に喜ばれるかは分かりません。もしかしたら、その仕事が嫌になって転職をしたのかも。
異業種転職となる応募者には、「何をストレスに感じるのか」を面接の時点で聞いておくことをお勧めします。
外に出て営業をすることが好きだけど細かい書類管理が嫌い、コツコツしたルーティン業務は得意だけど接客業務は苦手など、人によって向き不向きがあります。
応募者が何にストレスを感じるのか、医院で働く上でストレスを与える仕事にならないかを考えましょう。
3.志望動機について
質問5「数ある仕事の中で歯科助手を志望した理由は何ですか?」
経験のない中で歯科助手に応募をした理由について、応募者から聞き出してみてください。
働き方や立地などの条件面に惹かれた方もいらっしゃると思いますが、それでも歯科にプラスのイメージが無いと応募には繋がりませんよね。
うまく考えが出ない応募者には「歯科についてどんなイメージがありますか?」と質問を変えてみるのもアリですよ!
質問6「当院ではどんな業務に携わってみたいですか?」
歯科助手の仕事のうちどんな業務をしてみたいのか聞いてみると、応募者の考えをストレートに知ることができます。 他の職種(受付や事務など)と兼任する場合は、きちんと先にその業務内容について説明をした上で質問してみましょう。
ここで大事なことは「希望の仕事を聞き入れるか聞き入れないか」の両極端にしないこと!
受付も兼任してほしいけど本人の性格と希望ではアシスタントメインの方が良さそう…と思った時には「最初の3ヶ月は受付も兼任してもらえるか、3ヶ月後にもう一度意向を聞いて業務内容を考え直す」と提案をするようにしてください。
応募者も医院もお互いが歩み寄る姿勢を持ちましょう。
質問7「当院でどのようなスキル・マインドを得たいですか?」
経験者に対する質問と同じように、医院で働くご自身の姿をイメージできる質問をしてください。
「歯科助手のスキル」と聞かれてもピンとこないかもしれないので、「子育てに活用できるような歯科の知識を持ちたい」「手に職をつけたい」などを例に出してみることをお勧めします。
「未来の姿」のお話をして、歯科助手にポジティブなイメージを持ってもらうことが印象アップのコツです!

採用後のミスマッチを防ぐ3つのポイント
ポイント① 面接前の準備
求職者の経験に応じた質問集を携え面接に臨む前に!
歯科助手の採用を成功させるためには、まだまだ事前に準備しておくことがあります。
それは、採用基準を明確にすること。
あなたの医院は「どんな人を採用したいか」が明確になっていますか?
どんな人、というのは
・業務に必要なスキルをどの程度持っているか
・医院の理念に沿った考え方や行動ができるか
・勤務可能時間などの条件
などのことです。これらが曖昧なまま「なんか良かったから」と採用しても、医院・求職者お互いにとってミスマッチにつながります。
大切なのは「これに当てはまる人を採用する」という基準を作ること。
採用基準が言語化されていれば、面接官が複数いる場合でも意見の相違が起きにくく面接もスムーズに進めることができます。
定めた条件全てが当てはまっている必要はありません。
「これだけは絶対に譲れないもの」
「あったら望ましいもの」
このように分けて条件を定めてみてください!
逆に「こんな人は採用しない」という条件も決めていれば、よりスムーズに選考を行うことができます。

ポイント②面接時に「条件のすり合わせ」をしっかり行う
入職後のミスマッチを防ぐため、面接時の質問集でご紹介したもの以外にも下記について求職者とお話し、お互いの条件をすり合わせすることをお勧めします。
・業務内容について
「歯科助手として採用するけどいずれは受付専任に…」
これを伝えずに採用するのは絶対NGです!
求職者が「レセプト作成を担える歯科助手になりたい」「いずれは歯科衛生士を目指したい」と熱意を持って入職したとしたらどうでしょうか?
「こんなはずじゃなかった…」と後々ミスマッチを感じてしまう原因になってしまいます。
時間が経ってからのミスマッチ→退職の流れは医院にとって大ダメージ。 せっかく育てた人材を失い、またゼロから採用をやり直す手間は計り知れません。
さらに退職者の不満は他のスタッフにも伝わることが多く、モチベーション低下の原因にもなります。 業務内容は面接でしっかりと伝えてあげてくださいね。
・休日・勤務時間について
パート希望の方には「勤務可能日」を聞くようにしましょう。
そのうえ週に何日、1日に何時間程度働きたいかを確認してください。
「午前中勤務希望」で応募した方でも、
1日4時間、13:00までなら勤務可能の方もいたりと人それぞれです。
午前中勤務 / 午後勤務などとざっくり絞るのではなく、応募者の希望する時間帯と医院が求める時間帯のすり合わせを行っていきましょう!
・急なお休みや早退に対応できるか
歯科医院で働く人の8割以上が女性。その中には子育てをされている方も多くいらっしゃいます。
小さいお子さんがいらっしゃる方は特に、「お子さんが熱を出した」「保育園からの急な連絡」などで
やむを得ず急にお休みや早退の相談がある場合も。
働くママさんたちにとって「急なお休みや早退にも対応してくれる医院かどうか」が職場選びでとても重要です。
だからこそ、ここは医院のアピールポイントです。積極的に医院の方から伝えていきましょう!
「ママさんスタッフも多く在籍しており、急なお休みにも理解のある医院ですよ」
「急なお休みや早退もサポートしあえる体制が整っています」
このように伝えることで、求職者も安心して入職をすることができますよ。

ポイント③「聞きたいことはありませんか?」という逆質問をする
冒頭でもお伝えしたように応募者から質問はないかを逆質問で聞きてみましょう。
こちらがお伝えすることが相手の知りたいことの全てではありません。
もしかしたらこちらの盲点となっていることが、応募者の気になるポイントかもしれませんよ。
応募者にとっては、面接の場で自主的に質問することは難しいものです。
逆質問をして答えやすい雰囲気を出してあげましょう。
番外編:採用マニュアルを活用する
「面接のポイントはわかったけど、そもそも応募が来ない」
「患者様の治療に医院の運営、忙しくて何から手をつけたら良いかわからない」
「求人を出すところから採用までたくさんやることがあるけど、具体的にどう動いていけば良いのか…」
そうお悩みの医院様もいらっしゃると思います。
株式会社ナインデザインでは求人採用活動の準備から内定までに生じる様々なお悩みを解決すべく
「求人採用パーフェクトマニュアル」を販売しております。
実際に書き込んでいけるワークシート形式で、自院の棚卸しをしながら
・どうすれば効果的に求人をかけられるのか?
・そもそも、どんな人物が自院に必要なのか?
・求職者にアピールできるポイントは?
など、これ一冊で、あなたの医院の採用攻略方法が分かります。
無料DL版もございますので、悩む前にまずはDLしてみてくださいね!
まとめ
未経験での応募も多い歯科助手面接ですが
受付や電話対応、治療の補助、医療器具の管理…など、歯科助手の業務は多岐に渡ります。
さらに歯科衛生士不足をカバーするため、より高いスキルやサービスを求めることにもなり、医院の理想とする歯科助手を採用するのは難しい状況にもあります。
1時間足らずの面接の時間で、お互いを知り判断することは容易ではありませんよね。
ですが今回お伝えしたような面接前の準備や、応募者との条件のすり合わせなどの
医院側の取り組み次第で、ミスマッチを格段に減らすことができるんです!
ぜひ今回お伝えしたことを参考に、ミスマッチを減らす歯科助手面接を行なっていきましょう!