
どの企業様や医院様も1度は就活生の内定辞退を経験したことがあると思います。インターンシップや面接などの採用活動を経てようやくお目当ての学生に内定を出したのに、辞退されてしまうとガッカリしてしまいますよね?
学生もこれからの将来に期待が膨らむと同時に、入社への不安も抱えています。しかし、前もってその不安を解消してあげることで内定辞退の確率を抑えることができるんです!
今回は「内定ブルー」に陥ってしまう仕組みや、就活生に安心して入社してもらうための対策をお伝えします!
内定ブルーとはどんな状態?
内定ブルーは就職活動中の学生に起こる現象で、内定を獲得したことで「他の会社へ入社するという選択肢」「自分が生きたであろう別の人生」を捨てたことへの不安や未練の気持ちから発生する、気分が沈んでしまう状態のことを指します。
「本当にこの会社に決めて良かったのかな…?」と、自分の決断に漠然とした不安を持つ様子がマリッジブルーと似ているため、「内定ブルー」と呼ばれています。
内定ブルーの要因は、新しい環境への不安や就職先への不満が隠れています。学生が内定ブルーに陥ったままになってしまうと、内定辞退や早期離職に繋がりかねないため、細かな内定者フォローが必要です。
依然として売り手市場が続いていることから内定辞退等のリスクは避けられません。
採用担当者側からすると「希望をもって入社して欲しい」という気持ちがあるかもしれませんが、学生が初めての就職という「大きな人生の選択」を行ったからこそ起こる気持ちなので、どんな学生でも内定ブルーになる可能性があります。
そんな学生に出会った時は怒ったり慌てたりせずに、余裕を持った対応を行いましょう!
内定者のおよそ8割以上が入社への不安を抱えている
株式会社ラーニングエージェンシーおよび人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所調べでは、2023年度入社予定の内定者(623人)のおよそ8割以上が「不安・心配な気持ちを抱えている」という調査結果が出ています。
「第一志望に内定をもらえたけど、本当に良かったのかな?」 という就職に対する不安から
「仲が良かった同級生と離れるのが辛い」
「4月からちゃんとした社会人になれるだろうか?」
などの現在の環境から大きく変わることへの不安等、その「不安・心配な気持ち」の原因は学生によって様々です。
内定ブルーはなぜ起こるの?

内定ブルーが起こる背景には、学生本人の内的要因と会社や就活市場等の外的要因があります。
内定ブルーの原因を確認してみましょう!
原因1.学生本人に要因がある場合
学生本人に要因がある場合は主に「就職活動が満足にできなかった」ことへの未練や、自己分析の浅さ、自信のなさから来る不安が大きいです。
・まだ気になる会社を受け切らず、早期に就活を終えてしまった
・自己分析が浅く、どういうキャリアを歩めば良いか考えきれていない
・第一志望の業界や会社に不採用になったことを引きずっている
・自分に自信がないので、自分の決断を信じきれていない
・冷静になって内定をもらった会社を調べると、気になる情報が出てきて不安に感じている
以上のように「心配性・慎重な性格の人」「自己肯定感が低い人」「優柔不断・流されやすい人」「ぱっと見の印象や憧れですぐ決断してしまう人」などがこの状況に陥りやすい傾向にあります。
原因2.会社の対応に原因がある場合
会社側の対応がきっかけで、学生の内定ブルーが発生する場合があります。
- コロナ禍で対面の選考が減り、学生が会社の社風や理念などのイメージを掴めていない
- 内定式や内定者インターン、先輩社員との交流等が対面で十分に行われず会社に馴染めるか分からない
- 内定承諾への期限が短く、十分の検討期間を設けなかった
- 内定承諾をするようやや強引に迫ってしまった
- 内定後フォローの体制がない
- 他の内定者と内定後に会う機会がない、十分に交流できていない、学生が内定者のグループに入りそびれてしまった 等
こちらは会社側の対応が原因なので、上記の問題を解消することで学生の不安を減らし、辞退の確率を減らしていくことができます。
原因3.就職市場の状況や家族などが原因の場合
その他に、家族や周囲の知人などのコミュニケーションの中で、内定ブルーが発生するケースもあります。
- 内定承諾をしたのに、家族や周囲の知人などから入社を反対されている
- 身近な知人が自分より大手や有名会社に就職している
- 就職活動が早期化、複雑化しているせいで何が正解か分からない、漠然とした不安がある 等
内定後フォローは保護者の方に対して行うことも有効です。
詳しい内容は後述します。
企業側が行うべき内定ブルーへの対策

内定者同士や先輩社員との交流の機会を作る
内定ブルー対策として企業側が行うべき対策は、なるべく内定者との接点を増やしていくことです。
内定者同士での交流会や、先輩社員との交流会でお互いにコミュニケーションを図ったり、先輩となる現場の人間に不安や悩みを相談できるよう機会を設けます。できれば、対面が効果的ですがオンラインでも定期的に開催することができれば、入社までの不安を取り除くことができるでしょう。
定期的に情報提供を行う
学生としては、内定をもらった企業から入社まで連絡がないことを不安に感じます。
内定ブルーを防ぐためには、学生が知りたい情報を一覧にして計画的に情報提供を行うことが重要です。
採用担当者は他の業務も兼任されている方が多いので、あらかじめ「どの時期に・どんな情報を伝えるか」をまとめて年間計画を立てましょう。
情報提供の例をご紹介します。
7〜9月
- インターンシップのご案内
- 内定者懇親会や各種イベントの案内
- 月に数回、先輩社員や人事との面談
- 早期内定した学生へ、内定直後〜来年3月入社前までのスケジュール共有
- 会社行事の案内
- 入社までの期間の連絡方法や頻度の説明
- 入社までの期間にトラブルがあった際の緊急連絡先、相談先の情報
10〜12月
- 内定者インターンの案内
- 内定式の実施、内定式後の懇親会の案内
- 入社どの福利厚生の案内
- 配属先決定の時期や、決定方法について
1〜3月
- 入社式当日のスケジュール、持ち物、服装
- 入社直前の社員に対して、引越し手当、家賃手当の案内
- 入社後の新人研修や健康診断等の予定の共有
情報量が多いほど、学生に入社後のイメージを持ってもらいやすくなります。
上記のように、内定者に関連するイベントなどの情報をまとめてみてください。
保護者にも安心してもらえる施策を
保護者の方が入社を反対する理由はさまざまですが、多くは「どのような事業をしている会社なのか」「どのような職場環境なのか」「安定した生活ができるのか」など子供のためを思って反対している場合があります。
これも、企業の情報発信が十分でないことが原因です。
大企業であれば知名度があり、自社サイトや採用サイトを持っていることが多いため、会社の情報も発信することができています。
中小企業でも自社サイトを持っている方は、事業内容や職場環境などの内容を充実させて情報発信を行なったり、保護者向けのパンフレットを作成して内定者のご家族に読んでもらう方法があります。
状況に応じた内定ブルー対策を行いましょう
内定ブルーが発生する状況はさまざまです。学生本人に要因があるものと会社や周りの環境に要因があるものがあります。
内定ブルーを解決するためにも、内定者の事情に合わせた対策を複数用意しておきましょう。学生との接点を多くとることで、他の企業への就職検討をしにくくなるという効果もあります。
ナインデザインでは、新卒採用についての対策・ご提案も行なっております。
マイナビ・リクナビなどの大手求人媒体を使わずに、意欲ある学生を採用する方法もこちらのセミナーでご紹介中です!今までに多くの企業様が実践し新卒学生を採用されています。ぜひこの機会にご参加ください!