
制作部の巻です。
「良い人だと思って内定を出したけど、思った感じと違ったな…」こんな経験はありませんか? 実は人が他人を見る時、必ずバイアスと呼ばれる偏りが働きます。
バイアスに気づかないまま選考を進めてしまうと、誤った採用の元になります。 そんなバイアスの種類と正しい判断をするための対策について考えましょう。
バイアス=事実と違う解釈をしてしまう脳の働き
バイアスとは、先入観・思い込みとも言われる認知の歪みのこと。私たち全員に備わっている脳の働きで、いくつもの種類があります。
日常生活でバイアスが働く分には問題ありませんが、採用、とくに面接において公平に判断しているつもりが実は思い込みだった…となると会社全体に影響を及ぼしかねません。
よく「人は第一印象がすべて」と言われます。 うっかり第一印象だけを見てミスマッチを生んでしまわないよう、バイアスについてあらかじめ理解しておきましょう。

こんなにある!面接で気をつけたいバイアスの種類5選
都合の悪い情報を無視してしまう「確証バイアス」
自分の仮説を正しいものにするため、都合の悪い情報をスルーしてしまう傾向のことを言います。
書類選考で良い印象を持った求職者に対しては、その後の面接でマイナスポイントがあっても無意識に見ないふりをする、といった例が考えられます。 反対に「この人は良くないな…」と一度思い込んでしまうと、すべてが悪く見えてしまうことも。
自分は人を見る目がある!と思っている人ほど気を付けたいですね。
他の人に同調してしまう「バンドワゴン効果」
バンドワゴンとは、パレードの先頭にいる楽隊車のこと。 複数人と意見が違った時、多い方の意見が正しいと感じてしまう傾向をバンドワゴン効果と言います。
採用の場面では、合否の判断が割れた時に現れます。 自分以外の担当者がみんな違う判断を下していると、つい自分も意見を合わせがちです。 人と違う意見を主張することは勇気が要りますが、流されてしまう前に立ち止まって考えることが重要です。

自分と似ている人に親近感を抱く「親近感バイアス」
自分と同じ趣味趣向・学歴・経験・境遇を持つ人を高く評価してしまう傾向です。 類似性バイアスとも呼ばれます。
人は自分と似ている人に親近感を持ち、仲良くなりたいと考えます。
採用では、自分と同じような経歴を持った人に対して無意識に有利な評価をする傾向があります。
男らしく・女らしくで判断しがちな「ジェンダーバイアス」
事務は女性・管理職は男性など、一昔前は性別で職種が決まる時代でした。 諸外国と比べて、日本のジェンダー平等への取り組みは遅れていると言われています。
とくに仕事の向き不向きや昇進に影響しがちです。 男性・女性に関わらず、求職者自身の資質に合わせた判断ができると理想ですが、長年の慣習で刷り込まれたものを改善することは難しく、課題となっています。
ひとつの強みに引っ張られる「ハロー効果」
ハローとは後光のこと。 有名校出身・難関資格を持っている・容姿が優れているなどひとつの強みに引っ張られ、パッと後光が差したようにその人全体が良く見える現象のことです。
容姿が優れているからといって、仕事で能力を発揮できるとは限りません。 同様に、有名校出身=能力が高いというのも、陥りがちな思い込みです。
先入観を捨て、客観的に判断できる仕組みが求められます。
バイアスに陥らないためには採用基準を作り、言語化すること
認知の歪みを防ぐ方法は、採用基準を作ることです。
採用基準を定め、さらに言語化することで複数の採用担当者がいてもブレずに判断が下せるようになります。
バイアスはほとんどの人に備わっている脳の働きで、一説によると思考プロセスをショートカットするためだと言われています。 考え方には癖があることを理解し、より利益のある採用ができるような準備を行いましょう。